『図書室の男の子 2』の続きです。
私はその男の子のことを、友達のように思っていたのかもしれません。
男の子はNと名乗りました。
Nは私が読む本の様々な知識や雑学を披露してくれました。
例えば、「その作者は○○大学出身だ」とか、「その本のヒロインは作者の恋人がモデルなんだよ」とか、今思い出すとウィキペディアをひとりで作れる程に、突っ込んだ情報を教えてくれていました。
好奇心旺盛な私は、Nの話をあますことなく聞いて、Nと段々気軽に話せるようになっていきました。
言いたいことをきちんと話すことができない子供だった私に、変えるきっかけをくれたのはNでした。
クラスでは依然としていじめられていましたが、クラスメートは放課後はさっさと帰るか、部活をしに行くので、図書室には来ませんでした。
私はそれが嬉しかったとも言えます。Nの話を聞くのを邪魔されたくなかったのです。
しかし、雨の日にそれは唐突にやってきました。
ある日の昼休み、私は図書室にきてある漫画を読んでいました。Nはいつも放課後に来てくれたので、このとき図書室にいたのは私ひとりでした。
本に意識を集中し始めたときです。
続きます
怖い話投稿:ホラーテラー ホラー魂さん
作者怖話