短編1
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図書室の男の子 4

『図書室の男の子 3』の続きです。

図書室のドアを開く音が耳に届きました。

一瞬Nが来たのかと思いましたが、Nが音を立てながら入ってきたことは、これまでに一度としてなかったので、違います。

視線を向けて確認して、私は固まりました。図書室に入ってきたのは、クラスで私を特にしつこくいじめてくる二人組の男子だったのです。

二人は私に気付くと、直ぐ様此方に近寄ってきました。

「何読んでんの?うわ、これ気持ち悪くね?」

「ちょ、これやばいって。こんなん読めるってすげー」

そんなことを言っていたかと思います。私が黙っていると、二人はつまらなかったのかその漫画を奪おうとしてきました。

私はどうしていいのか解らず、無我夢中でその本を取られまいと、しっかりと握りました。

二人も意地になり、私から本を奪おうと躍起になっていたのですが、ひとりがじれたのか私の足を蹴ってきました。

私がその痛みにうずくまり、本から手を離した直後。

二人組の後ろの本棚から、上段の本束が崩れ落ちてきて、真ん前に立っていた二人に当たりました。

丁度二人が影になっていたので、私には一冊も当たりませんでした。

続きます

怖い話投稿:ホラーテラー ホラー魂さん  

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