短編1
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ばあちゃん

私の祖母は、私が幼稚園の頃に他界しました。

小さい頃の記憶はあまり残っていませんが、ばあちゃん子だった私は、いつもばあちゃんの布団にもぐって一緒に寝ていたようです。

ある日、私は向かいの家に預けられました。

入院していたばあちゃんの容態が悪化し、今夜がヤマだった様で、小さい子供には酷だと判断した両親のはからいでした。

そんな事はつゆ知らず、向かいの家の5つ年上のお姉さんと遊んでいました。

ひとしきり遊んで疲れた私は、和室で寝る事になりました。

豆電球だけを点けた薄暗い部屋で布団に入り、部屋を何気なく見渡していた時です。

その部屋にあった箪笥がガタガタと音を立てて揺れはじめました。

隣に寝ているお姉さんはそれに全く気付いていないようです。

私は尚も揺れ続ける箪笥に恐怖感を覚え、泣いてしまいました。

後でわかった事ですが、箪笥が揺れていた時間は丁度、ばあちゃんが亡くなった時間でした。

恐らく、ばあちゃんは最期に私に会いに来てくれたんだと思います。

余談ですが、私は今日までに車に4回轢かれたり、ビルから転落した経験があります。

その全てが死んでもおかしくない程の事故でしたが、何故かいつも軽い怪我で済んでいます。

きっとばあちゃんが守ってくれているんだと思います。

ばあちゃん、ありがとう。

怖い話投稿:ホラーテラー 現役探偵さん  

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