中編3
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曰く付き単車

もう15年ほど前になるかな。

俺が暴走族やってた時の話

文才ないけど付き合ってくれたら嬉しいです。

15年前、当時はバリバリのヤンキー街道まっしぐらだった。

毎日、毎夜仲間で集まって単車で走りに行ってたな。

たまに昼間も爆音で走り回ってた

その日もいつものように皆で集まって走りに行った。

国道を単車20~30台くらいでかっ飛ばしてたら

俺の後輩のYが滑ってもろに壁に突っ込んだんだ

すぐに皆で単車停めて駆け寄った。

だけどYは意識なくてすぐに救急車呼んで病院に運ばれた

もうかなりの重傷で皆助からないと思ってたよ。

意識戻らないまま2週間すぎた。

たまたま俺が見舞いに行ったらYが目覚ましたんだ

すぐに先生呼んだよそれから3ヶ月くらいで

完治して退院したよ。

だけどすごい事故だったらから単車はお分かりの通り廃車

そいつがすげえ大切に乗ってたホークⅡ(通称バブ)は

帰らぬバイクになったわけさ。

またバブ乗りたいなんて言ってたけど

すぐには見つからなくて、そんな時に

俺の知り合いがXJ(通称ペケジェー)なら流せるって言うもんだから

俺がYにすすめたら買いたいって言うからすぐに

知り合いに連絡とって話はすぐまとまったよ。

驚きの5万さ。安すぎだったね。

でもその時は何の違和感も感じなかったよ。

今思えばこれが間違いだった。

買わなければあんな事にはならなかった。

新しい単車で前より気合いのはいった

Yは走るのを楽しみにしてた。

次の日にすぐに単車がYの家に届けられた。

Yから連絡が入って「すぐ走りたい。〇さん付き合って下さい」

なんて言うから試しに2人で昼間っから走りに行ったんだ

Yの家にすぐに単車で向かって地元を走り回ったよ

なかなか良い音してた。あのXJ

皆で走る時に毎回使う道があるんだがそこで

俺は有ることに気づいたんだ。

Yが俺の前を走ってたんだが、

明らかにおかしいんだ

Yのケツに誰か乗ってる気がしたんだ

でも俺とYだけの2人のはず。

確かに姿はない。

だけど乗ってる、そう感じた

気のせいだろうと思いあまり気にせず

走り続けた。

夕方まで走って一度解散して

夜中また集まる約束をした。

深夜2時すぎ徐々に仲間が集まりだした

15分ほどで全員揃ったので

さっそく走りに行った。

2時間ほど走っただろうか。

県外に出て地元に戻る道を走っていた時だった。

ふいにYが蛇行を始めたんだ。

俺らの中では暴走行為として普通の光景だが、

その時は何かが違った。

Yは明らかに取り乱している様子だった。

なんと言うかハンドル操作がきかない感じ。

そんな事思っていた矢先だった。

前から大型トラックが迫って来ていた。

するとYは何か操られてるかのように

反対車線にはみ出した。

もうトラックは目の前まで来ていた。

その時俺はみてしまった。

Yの後ろで頭の割れた女が不気味に

笑みを浮かべていた。

俺は叫んだ

Yはトラックと正面からぶつかった。

単車は粉々に砕けYは吹っ飛んだ。

即死だった。

もしあの時俺がXJをYに勧めなければ

こんな事にはならなかった。

15年たった今でも毎年Yの墓参りは行っている。

俺は一生忘れない

Yの後ろで不気味に笑み浮かべていた女を。

あの事故はYのせいではない

あの単車に何があったかはわからない

あの時俺が単車さえ勧めなければ…

Yは死ななくてすんだはずだ

ましてや事故などおきなかった。

すべては俺のせいだ

本当にすまない。

終わりです。

文才なくて本当にすいません

今年もYの墓参りに行きます。

読んで下さった方ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん    

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