〜あの時代(とき)を忘れない【後編】

中編3
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〜あの時代(とき)を忘れない【後編】

さっそくですが、続きです

前のクラスの合唱が終了。

私達は壇上に上がり、それぞれのポジションに着き、かおちゃんのピアノに合わせ一礼。

最初は課題曲、【贈る言葉】。

この曲ではエレキが無い為コーラス参加でしたが、私は歌丸のギターで晃と弾き始めました。

晃に助けてもらいながら何とか【贈る言葉】をこなし、心の中でホッとしてた。

弾き終わってみんなが一斉に私を見つめ、

「良くやった!」

と目で言っているのが判りました。

さぁ、自由曲の【YaYa】に移ります。

出だしはギターからなので指揮者がこちら見つつ、タクトを上げた時、

「あれ?出だし、どうだったっけ?」

頭の中が真っ白になり、脳が指先に指示出来ないでいました。

指揮者も私を見つめるだけでタクトを振りませんでした。

その時でした。

訳が解らないまま、指揮者はニコリと頷き、タクトを振ってしまいました。

「何やってんだよ!まだ思い出してねぇぞ!」

そう思った瞬間、私は晃と一緒にギターを弾いていました。

テンテンテンテンテンテンテンテン

それに合わせてピアノ、キーボードも音を奏で始め皆の歌声が聞こえて来ました。

間奏のエレキはきちんとこなし、再びアコギに持ち変え最後の伴奏に備え・・・ラスト・・・テンテンテンテンテンテンテン・テン・テレン。

割れんばかりの拍手!

あんなに気持ちの良い拍手はもう、味わえ無いでしょう。

壇上から下りて皆で抱き合いお互いを讃え合いました。

結果は・・・。

準優勝でした。

全てが終わり、教室に戻りさっきの出だしで躊躇した事を話すとみんなは、

「知ってたよ!焦った顔してたもん!」

バレてた。

その時、横で一緒にギターを弾いていた晃が、

「お前があの時、歌丸に見えたんだよ。最初、躊躇していたの解ったんだ。ある瞬間から横に歌丸がいると思えて、指揮者の緒川に目で合図したらタクトを振り始めたら案の定、ちゃんと弾いてくれた!」

するとピアノのかおちゃんも、キーボードのアッコまでも、

「うん!確かに歌丸に見えたよ!」

みんな、声を揃えてそんな事を言うんです。

でも実際に私もあの時点では完全に思い出してませんでした。

自分の意識とは異なる行動。

ガラガラっとドアが開き、先生が準優勝の盾と賞状を持って帰って来ました。

皆を座らせ衝撃な事を言いました・・・。

「先程、連絡が入り・・・歌丸が・・・亡くなりました。」

時間が止まりました。

そのうちに女生徒の啜り泣く声。

先生も目を真っ赤に涙をこらえながら、

「歌丸は学校に来る途中、〇〇の交差点で・・・信号無視でね・・・ダンプが突っ込んで・・・。歌丸の他にも被害者は沢山・・・いたそうです・・・。亡くなったのは歌丸を合わせて3人。・・・意識不明が2人・・・その他・・・5人・・。」

先生はその後は言葉にならず、泣いてました。

クラス全員が泣いてました。

そして、お葬式の日。

クラス全員で【YaYa】を歌丸に捧げ、歌いました。

準優勝ですが、みんなで取った賞状を棺に入れてもらいました。

そして・・・卒業式・・。

式終了後、卒業アルバムと一緒に合唱コンクールの時の写真も展示されました。

演奏時の全体写真を見た時、全員で驚きました。

私と晃の間に人影が写っていました。

それを見た先生が、

「歌丸もあの時、みんなと一緒だった証拠だね。」

今でも、我々の年齢で5と0が付く年には同窓会をしています。

その時も最後はやはり、みんなで歌います。

YaYa〜あの時代(とき)を忘れない

最後まで読んで頂き、有り難うございました。

文才が無い為、考えながら投稿したのでわかりにくく申し訳ございません。

怖い話投稿:ホラーテラー 楓と雅のパパさん  

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