短編2
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霊感ZERO

俺みたいなビビりは基本、心霊スポットみたいな大それた所には近付かない。

しかしスポットの方から知らぬ間に近付いてきた、てのは結構ある。

大学入る時、俺、自分でアパート探したんだけど、(取り敢えず安けりゃいい)てんで家賃一万五千円のとこに決めたんだ。

(ここに決めちゃって本当にいいんですかい?)みたいな、不動産屋の、妙におどおどした様子が多少気にはなったが俺の気持ちは変わらなかった。

どうせボロアパートだろうって、まるで期待していなかったんだが、これが意外と新しい(トイレとシャワー室は共同だったが)。

それまで家賃の相場なんて考えた事もなかったから、(こんなもんなんかな〜)なんてノンキに喜んでた。

早速大家に会ったが、この人がまた、妙に視線が定まらない。

「保証人がいる」って言うから、「親連れて来ましょうか?」と聞くと、書類送るからサインと捺印の上送り返してもらったら良いと言う。

そして・・・・

生まれて初めての独り暮らしは強烈な金縛りから始まった。

金縛りは疲労が原因で起こるなんて説、ありゃあ大嘘だ。

少しでも気をゆるめれば朝でも昼でも容赦なくそれは襲ってきた。

余程霊感が無いのか…

幽霊らしきものは一度も見なかったが、どう考えても異常で、その部屋に何か原因があるとしか思えなかった。

住み始めて約三ヶ月が過ぎた頃…

俺にも人並みに彼女ができた。

「私、こう見えて料理得意なんだ♪」

なんて嬉しいことを言うものだからお願いする事にした。

部屋に招待した時の彼女の第一声

「空気悪〜い!たまには窓開けてる〜?」

一直線に窓に近づきすりガラスのサッシをかなり強めに開けた。

「・・・・何??これ・・・・」

(?)固まってる彼女に近づき肩越しに見たもの…

見渡す限りの

墓、墓、墓・・・・・・

手の届きそうな所にも無縁仏のような苔むした墓石がある。

その夜、彼女の部屋に転がり込んだのは言うまでもない。

三ヶ月も窓を開けなかったという事実が我ながら恥ずかしくて大家には結局飛び出した理由を言えずじまいだった。

彼女の母親は霊感がとても強く、お盆に帰省した際

「あなた最近おかしな所行ってない?死臭がする!!」

なんて事を言われたらしい。

ああ、彼女、今、どうしてるかな〜

怖い話投稿:ホラーテラー 蜥蜴のしっぽさん  

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