短編2
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愛猫クロの夢 前編

今でも、そしてこれからもずっと忘れることのない、約1年半前に天国へ旅立った愛猫の話をしたいと思います。

10年以上前、私が小学2年のときに飼っていた三毛猫系雑種の親猫から子猫が5匹生まれました。

その中に1匹、その猫はいました。名前はクロピー。母親が適当につけた名前ですが、私たちはクロピーを「クロ」「クロげ」などの愛称で呼んでいました。

名前の通り、若干目立たない程度に茶や白の斑があるものの、クロは黒猫でした。

クロは貰い手が付かず、引っ越してもずっと私たち家族と一緒でした。クロはクールな性格で、猫特有の「ゴロゴロ」を聞いたのは、クロが3歳を過ぎたときでした。それを初めて聞いたのは私です。

それからはクロは私のベッドで寝ることが増えました。姉妹のベッドが並んで置いてあったのですが、必ずと言って良いほど私のベッドで丸まっていました。

また祖父や祖母と同居するにあたって今より大きな家に引っ越し、姉妹の部屋は別々になりました。その時は5匹の猫が家にいました。それでも私に懐いてくれていたのはクロだけです。

私の部屋で、2人?きりになるとクロはとても甘えてくるので、私はクロを特別可愛がりました。今思うと私そっくりなツンデレだったのだと思います(笑)

大人しく、魚が出て他の猫が群がっても、家族の食卓を邪魔をすることがない利口な猫で、そんなクロが自慢でした。

一番長生きすると言われていたクロ。しかしそれはあっけなく終わりを迎えました。それはクロが12歳を迎えた年でした。

親猫、姉妹猫が次々と死を迎えました。

元気だったクロも急に痩せ衰え、夜は必ず「クロ、寝るよ」と呼びかけると私より先に部屋に入り、2つ並べ立た枕で一緒に寝ていたのに、最後の3日間は呼んでも後を付いてくることもなく、部屋にも入りませんでした。

そしてクロは私が家にいない間に息を引き取りました。

時間差で家に着いた私は、クロを強く抱きしめ、夕食もろくに喉が通らない程悲しみ、連夜泣き続けました。

………………………

書いていたら以外と長くなってしまい、前編と後編で分けることにしました。前編は前置きのような扱いで心霊的な部分が全くなくて申し訳ありません…!後編に続きます。

怖い話投稿:ホラーテラー 灰色さん  

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