短編2
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愛猫クロの夢 後編

程なくして、私はクロの夢を見るようになりました。

クロは生きているままの姿で、「まだクロ生きてるじゃん!」と夢の中で家族に言っていました。

しかし起きると、クロは寝ているはずの隣の枕にはいないのです。なんとも言えない空虚感を、枕カバーに残ったクロの抜け毛に感じるのでした。

ある日、ふとその話を母と妹にしました。しかし母は「それはよくないよ」と、さらに「死んだ人や動物が出てくるのは、何か言いたいことがあるからだよ」と続けました。また「本物のクロじゃないかもしれないよ」とも言いました。

「本物のクロじゃない!?それは嫌だな」と思いました。家にあまり良くないものがいると知っているので、私は決心しました。(その話はまた別の機会に。)

そしてとうとう、最後のクロの夢を見る夜はやってきました。

夢の中の私は、どうやら寝るために部屋に行くところでした。

後ろからはクロがニャーニャー鳴きながら付いてきます。

私は意を決して、クロが入る前にドアを強く閉めました。

クロはいつものように入りたそうにドアをガリガリと引っ掻いてきますが、私はドアを押さえました。異様にドアが揺れていた気がします。

そして私は自分に言い聞かせるように、強く叫びました。

「お前はクロなんかじゃない!!」

目が覚めると、達成感と共に少々の後悔もしました。

「それで良かったんだよ」と、母と妹は口を揃えて言いました。

それから私はクロの夢を見ないようになりました。

あれが本物のクロだったら、私を決心させるために現れたのだと思います。しかし、クロではない別の何かだったら…

家の中で母と妹に奇怪な出来事が起きる中、私だけ何事もなく過ごせたのはクロが守ってくれたからだと思っています。

辛くあたってしまっても、悲しくて泣いているときも、クロはずっと側にいてくれました。

クロに、心からありがとうと言いたいです。

まだ他にも母と他に飼っていた猫、妹、家で起きた心霊体験があるので次回からはもう少し怖い話もできたらいいなと思います。

あまり知的な文章が書けず読みづらくなってしまい申し訳ありません。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

怖い話投稿:ホラーテラー 灰色さん  

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