短編1
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祖母の魂

私には痴呆症を患った祖母がいました。

祖母の痴呆症はかなり酷く、テレビに映った和田アキ子氏の事を「あの人はワシのせがれじゃ。」

と言い出してみたり、自分の旦那(私の祖父)の事を「頭のハゲた知らないおじさん。」

とか言う始末。

中でも「お風呂に入ってくるわ。」

と言った祖母が、何故か全裸で便座にまたがったまま鼻歌を唄っている姿を見た時にはさすがに驚愕しました。

そんな祖母だったのですが、祖父が亡くなった時の事です。

祖父の遺体を目前にした私達家族は、泣いたり、呆然としたり、それぞれがパニック状態。

私自身、為すすべもなくたた呆然と祖父の顔を見ていたのですが、突然祖母がヨロヨロとこちらへ歩いてきました。

私は「え?ばあちゃん、一体何をしでかすつもりだよ?」

と焦ったのですが、

祖父の枕元にちょこんと座った祖母は、冷たくなった祖父の顔をさすりながら静かな口調でこう言いました。

「おじいさん…、長い間ご苦労様でした…。」

痴呆症で普段は滅茶苦茶なおばあちゃんの口から出た惜別の言葉…。

長年連れ添った夫婦の愛が、痴呆症に勝った瞬間だったのでしょうか?

やはり、脳と魂って別物なのかも…。

私はそう思ってます。

怖い話投稿:ホラーテラー 本当にあった怖いまげろたかしさん  

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