短編2
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北館の4階女子トイレ

その学校の7不思議の1つに

「夜中の1:30に、北館の4階の女子トイレの5番目に入ると 死ぬ」

というものがあった。

でも誰もそんなの信じていなかったし、第一そんな時間にトイレに行くこともなかった。

春になり新1年生が入学してきた。

ここの学校は私立で、校舎がキレイで有名だった。なにより校長先生がとても朗らかな人で、生徒1人1人の名前を覚えるほどの努力家だったそうだ。

その新入生のなかに、ちょっと変わった男の子がいた。

仮に名前を大石弘樹としておこう。

弘樹はなんでも自分でやってみないと済まない子だった。ほんとうに。

7不思議も、小学生のときも中学生のときもすべて自分の目で確かめてきたがすべてインチキだった。

高校の7不思議ももちろん確かめてみようとは思っていたが、期待はしていなかった。

何ヵ月か経ち、弘樹はこの7不思議の1つを先輩から聞いて知った。

そして聞いたその日に確かめてみようと思った。

「どうせまた…」

とは思っていたが、確かめないと気が済まないたちなのだ。

夜になり、ちょうど学校に着いたのが1:20。

弘樹はあらかじめチェックしておいた、北館の4階女子トイレに向かった。

ちょうど1分前にトイレに着いた。結構雰囲気がでていて、弘樹もすこし緊張していた。

30分になった。

弘樹はゆっくりドアをあけた。

そこには

にっこり微笑んでいる

校長先生が立っていた。

弘樹は一気に緊張がとけ、安心した。

次の日、学校は大騒ぎになった。

北館の4階女子トイレで男の子がメッタ刺しになって死んでいたから。

校長先生は今日も生徒の名前を覚えている。

次は誰がくるかな

この話はこの学校の7不思議の1つ。

ほかのお話は、またいつか。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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