短編2
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いたずら

布団の中で眠ろうとしていると、携帯が鳴った。

夜中に携帯が鳴ると家族が目を覚ますので、マナーモードにしているのだが、忘れていたみたい。

まあ、家族は目を覚まさなかったので良かったが、私がびっくりしてしまい完全に目が冴えてしまった。

緊急な用でも無い限りこんな時間に携帯が鳴ることはないので、とりあえず出てみた。

中学時代の友人からの電話だった。

なつかしさが先に立って、深夜の時間の電話ということを忘れて話が盛り上がった。

そういえば、ケイちゃんどうしてるかなぁ。

中学校のころ私と3人でよく無茶ないたずらをして先生に怒られていたことを思い出した。

本当に、馬鹿なことをして遊んでいた。

あのころは本当に楽しかった。

電話の切り際に友人が言った。

「どうして急にこんな夜中に電話してきたの?」

少し話がおかしい。

電話してきたのは友人の方なんだから。

「かけてきたのは、そっちじゃないか。」

結論からいうと、友人の電話が鳴ったのは本当らしい。

そして、私の電話が鳴ったのも本当。

両方の電話が鳴って、両方とも同時に出たようだ。

そういえば、お互いの携帯の番号なんて知っていないし、こっちからも、向こうからもかけたくてもかけられない。

不思議なこともあるもんだね。

まあ、翌日仕事があるからと、電話を切って眠りについた。

翌日、仕事中に友人から電話があった。

今朝方、ケイちゃんが亡くなったとのこと。

朝、奥さんが起こしに行ってみると冷たくなっていたとのこと。

いわゆる突然死だったらしい。

昨夜の電話は、あいつのいたずらだったのかな。

怖い話投稿:ホラーテラー まがるうさぎさん  

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