「そういうな。見込みがある奴かどうかを見極める1つの方法だ。
俺が言いたかったのは気の弱いやつでもこれだ。
怖い映画や話の時にさ、心臓の悪い方はご遠慮下さいって前置きする場合がある。
何故だと思う?それで本当に死んでしまう人がいるんだよ」
『そうなんだ、なんか怖いな…』
「俺が担当した、ある老人が死亡保険に加入した。少し心臓が弱っていたが金持ちだ。
独り身で余生を送ってた。突然20代の若い者と籍を入れたってことで。
こんな奇跡的なこともあるんだと思ってた」
「それからしばらくして、その老人亡くなったよ。心筋梗塞でな。籍を入れた相手が通報してきた」
「自殺ではないし病死と判断され保険金が全額支給された。
でも真実は籍を入れた相手に殺されたんだ。
ある時さ老人が俺に今の世の中は物騒だから自分の家に家族に内緒で隠しカメラを防犯でつけてるって話してくれてたのさ」
「でさ妙な胸騒ぎがして老人の通夜に参加した時にこっそりカメラで録画した映像を探したんだ。
亡くなる直前のやつを」
「凍りついたよ…
真夜中に老人が慣れてるから廊下の電気をつけずにトイレ入る。
その後を背後から忍び足で気づかれないように近づき隠れる犯人。
老人がトイレから出て真っ暗な廊下を歩き始めた背後から犯人が、口元に笑みを浮かべた次の瞬間…うわぁああっ!!!と叫んだ」
「驚いた老人が突然のあまりの恐怖に口から泡を吹いて胸に手を当てて倒れこんで痙攣しながら、そのうち動かなくなった。
犯人は慌てふためく様子は一切なく、その様子を笑顔で眺めながら、死んだのを確認するとやがてゆっくりと去っていった。
これって殺人だろ?」
『あぁ、今のは恐ろしいな…
警察には通報したのか?』
「まさか、ただ後ろから驚かせただけだぜ。
個人的には保険金詐欺と計画殺人だと思っているよ。
だけど、これだけで殺人だと立証できるか?」
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話