中編3
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記憶

当時、ある人=Aさんはマンションで一人暮らしをする社会人でした。

Aさんがこのマンションで一人暮らしを始めて、やっと今の暮らしに馴染んできたなと思っていた時の事。

いつものように会社から帰って来た彼は疲れのせいで布団にバッタリと倒れ込みそのまま眠りについてしまいました。

そこで彼はこんな夢を見たのです。

内容は「目を覚ました彼が、玄関の方から異様な雰囲気を感じて玄関に目をやると、赤い服を来た女性が立っている。

彼女からは生気は感じられず、口を異常な程大きく開けて無表情でAを見ている。

そして、彼が怖くなり誰だ!?と問い掛けるとこう返事を返してきた。

お前が一番よく知っている……とだけ…。

そしてそこでAは目を覚ました。

何だったんだ?と焦りを隠しきれないA。

そのまま睡魔に襲われAは眠りについた。

翌日仕事が終わり帰ってくると、彼は部屋の掃除をしようと唐突に思い、掃除を開始した。

掃除をしているとAの彼女の写真が出てきた。

Aは次に会えるのはいつかと考えながら、微笑みを浮かべる。

でも最近あいつ電話でないし俺の事嫌ってんのか?とその時Aはなぜか突然怒りを覚え、その写真を破り捨て、一人で暴れ始めた。

彼のその姿は異常者に相応しい程だった。

物を破壊しつくした後、彼は正気に戻った。

ああ…またやっちまった……かたずけねぇと…。

かたずけが終わってから彼は眠りについた。

またあの夢を見た。

夢の中でAは、またかぁ…と思いながらいた。

今度は女から話しかけてきた。

もうすぐ……会えるねぇぇ……恐怖の余りAは目を覚ました。

起きても尚、金縛りのような感覚に捕われ、身体が自由に動かない。

気がついたら朝になっていた。

昨日の事を気にしながらもAは会社に向かった。

そして帰宅途中に電話がかかって来た。

電話が来たのはマンションの近くまで来た時だった。

彼女からだった。

A「よ、久しぶりだな。

なんで出ないんだよ。

彼女「だって最近仕事が忙しくて。

疲れてるし。

」A「電話くらい出てもいいだろ。

彼女「ごめんなさい。

A「ま、いいよ。

彼女「ねぇ明日服買ってよ!」

A「お前この前買ったばっかじゃん。

なんでだよ」

彼女「………………だって……………あんたに服真っ赤に染められたんだよ…………」

A「は?何言ってんだよお前?」

彼女「……………見ーつけたぁ…………」

A「?」

Aはその時玄関の前の通路に出ていた。

自分の部屋の玄関の前にはなんとあの夢の女が立っていた。

全身が血で真っ赤だった。

A「誰だお前!!」女「ねぇこの服覚えてる…………あんたに買ってもらった服だよ……そのあと私、あんたに殺されちゃったけど…その時の血で真っ白な服が真っ赤になっちゃったんだよ…

Aは全てを思いだした。

彼女を殺害してしまっていた事を…

実はAは不安定な気持ちに陥ると、無意識に暴れてしまうのだ。

その無意識の内に行った事は記憶に殆ど残らないのだ。

忘れていた…

A「許してくれ」

彼女「許さない……」

A「頼む。

自首する。

許してくれぇ!」

恐怖に震えながら必死に謝るA。

彼女「本当に自首するの……」

A「あ!あぁ!…だから頼む」

彼女「自首しなかったら貴方を……」

A「ああ…分かった。

ちゃんと自首してくる……」

彼女の霊は消えた。

突然に。

Aは怖さのあまりすぐに警察署に走った。

彼は暗い夜道に消えていった。

その後Aの姿を見た者はいない。

行方不明である。

もしかすると彼女が…関係しているのかもしれません。

結局夢の女は彼女だったのです。

彼女の死体も発見されておらず、行方不明である。

ここまで付き合って頂きありがとうございました。

全て私の妄想で書いたものですが読んで頂きありがとうございました。

感謝いたします。

怖い話投稿:ホラーテラー 黒猫さん  

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