短編2
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マユミという名の小学生が登校していると

同じ学校の生徒に出会いました。

マユミのクラスのイジメられっこの女の子です。

クラス全員がその女の子をイジメていました。

先生も見て見ぬふりをしていました。

みんなで無視をする時もあれば、

かびた給食のパンを机の上に置いたりなんてこともありました。

マユミも、特に彼女を憎らしいと思ったことはなかったのですが、

自分だけイジメないわけにいかず、

無視やひどい噂を言いふらしていました。

不思議なことに

その彼女が今はなんだかとても嬉しそうな顔をしていて

ずっとマンホールの上をピョンピョン飛び跳ね、

口元に幸せそうな笑みをたたえ、

なぜか

「九、九、九…」と数字を呟いているのです。

「何してんの?」

マユミが尋ねます。

しかし、女の子は返事をせずに

「九、九、九…」と呟きながら跳ねています。

「無視してんじゃねーよ!」

今度は口調を強めて言いました。

しかし、彼女はやっぱり返事をせずに、

相変わらず一心不乱に同じ動作を続けているのです。

「ねー、なんで、そんなことしてんのよ?」

もう一度尋ねてみました。

それでも、彼女はまるで何も聞こえないかのように

以前と同じ動作を繰り返し続けます。

すると

マユミの中でとても奇妙な感情が芽生え始めました。

ひょっとしたら『マンホールの上で数字を唱えながら飛び跳ねる』のは

とても楽しいことではないのか?

もちろんバカらしい行為だとは知ながらも、

ふと強い思いが彼女の脳裏をよぎったのです。

複雑で奇妙な感情に自分でも戸惑いを感じつつ、

「ちょっと退きなさい。私がやるから」

そう言って、マユミは強引に彼女を押しのけ、自らマンホールの上に立ちました。

足をわずかに曲げ、

腰を低くして、

思いっきり跳び上がったその瞬間

イジメられっこの女の子が、

信じられないほどの俊敏な動作でマンホールの蓋を取り

マユミはマンホールの深遠に落ちていってしまいました。

女の子は蓋を閉めて、

再びマンホールの上で飛び跳ねながら呟き始めました

「十、十、十、十、十…」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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