短編2
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暗示

文章下手で

怖くないかもしれませんが

どうか見逃して

やってください…

――――――――――――

私は高校入学祝いに初めて携帯を買ってもらい、あるコミュニティサイトにはまりだした。

日記やゲームができ、全く見ず知らずの人達と交流が出来るというサイトだ。

いつしかしだいにその世界に没頭していき、毎日のようにサイトで遊んでいた。

そしてある日掲示板で

若い男性と知り合った。

年は近くてすぐに意気投合しメールまでするようになった。

そのやりとりが続いた数日後、その男性に

「今度直接電話しない?」と言われ

「いいよ」と承諾した。

約束どおり私と男性は

電話をした。

初めて聞く声はなにか魅力的で、緊張しながらもいろんな会話をしてその日を楽しんだ。

また電話しよう、と約束して

その夜はもう寝た。

そこで次の日も

その次の日も

毎日のように電話をした。

なにかに悩んでる時も、その男性との時間だけは

悩みを忘れることが出来た。

私はいつの間にか

その男性に惹かれて

また声が聞きたい…と思ようになり、ある事を思いついた。

電話する時あらかじめラジカセで録音しておこう!

…という考えだ。

馬鹿な話だが、そうすれば毎日彼の声が聞けると思ったのだ。

そしてAはその夜実行した。

いつものように楽しい話をして盛り上がる私達。

そんな空気の中、私は勇気を振り絞って彼にこう言ってみた。

「今度直接会ってみない?」

すると

「ごめん…会えないんだ

…そしてもう君とは電話出来ない」

彼はそれだけ言い残し

一方的に電話をきった。

突然の出来事なので

何で?としか言いようがなかったが私は諦め、その日はもう寝る事にした。

……翌朝

「何やっってるの!!

早くそこから降りなさい!!」

大きな声で

はっと目が覚めた私。

この声はどうやら

お母さんだったらしい。

汗でぐっしょりの私は

目の前の光景に愕然とした。

なぜならベランダに足をかけて今にも落ちそうな自分がいるからだ。

びっくりした私はすぐにベランダから離れた。

ここはマンションの8階。

落ちたら死んでいた…

お母さんは泣きながら

私をこっぴどく叱り

部屋を出ていった。

だけど何でだろう?

サイトのやりすぎで

疲れてるんだろうか…

とりあえず一命を取り留めた私は気分が落ちた様子で

携帯を眺めた。

……こんなとき

もう1度あの人の声が聞きたい…

その時私は、あの電話中に録音していた事を思い出した。

そうだ、録音があった!

そう思い

私は再生をした。

すると、

この世の者とは思えない声が聞こえた。

「お前は死ぬ お前は死ぬ お前死ぬ お前は死ぬ お前は死ぬ お前は死ぬ お前は死ぬ お前は死ぬ お前は死ぬ お前は死ぬ お前は死ぬ お前は死ぬ……」

怖い話投稿:ホラーテラー かりんとうさん  

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