中編3
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信者ではない

今まで心につっかかっていたものを理解することができた。

私は無神論者。だけど、生まれて10日後に親や親族に入信された。親、親族は皆信者。家族全員が信者だと、かなり厄介。

簡単には脱会できそうにない。

幼い頃から教会本部へ行き、「勉強」をしていた。

神にざんげと願いを祈願し、これからの人生を輝くものにするのだ。

「勉強」は聞いていない。小学校の道徳に神をちょこちょこ織り交ぜた話だ。

熱心に聴くこともないので、半分寝ている。

いびきをかかないか心配だ。

母は熱心な信者。「勉強」したことをノートにメモしている。

おいおい、それは昔小学校で習わなかったのかい。

昔、「勉強」した事をメモらなかった私に「メモしなさい」と怒ったことがある。

父も割りと熱心な信者。結婚する前は一般人だったのに、母や母方の祖父母に言われて入信したそう。

娘の病気が治ってほしいがために祈願していたみたい。

なんだか申し訳ない・・・。

親族ぐるみで信者になった始まりは、母方の祖母が病気になったから。

「持って後10年」という状況になった時に入信したらしい。

10年持って死んでしまったが、母からすると、

「信者になったから、10年持った」

らしい。おいおいマジかよ。それ聞いて、当時は

「ふーん」

としか返事しなかった。

妹はよく分からない。「勉強会」でいつものように寝ていたら、

「勉強会」が終わったあと、

「寝てたでしょ」

といつも聞かれる。

妹はどうなんだろ。心のソコから神を信じているのかな。

聞いてみたいけど、さすがに聞きづらい。

「あなた教会の神を信じてるの?」なんて聞きにくい。

よくわからない。

祖父は多分もう信者では無いような気がする。

そんな気がするだけ。

でも相変わらず家では祈願をしている。

何を懺悔し、何を願っているのか。

他の親戚は知らない。

私は信者ではない。

形では信者となっているが、心は信者でない。

信じてみようと思った事も今まで沢山あったが、度重なる母からの迷惑行為に今はもうそういう考えもしなくなった。

どの教会にも、一部の信者による「勧誘の迷惑行為」がある。

信じてもいないものを無理やり信じさせようとするのは、信仰の自由の奪い取るものだから、よくないに決まっている。

それに近いもので、「何か悩んだら祈願しなさい」とよく母から言われる。

祈願したら何か変わるのかという問いに母は、

「周りが自然に変わっていく」

と言ってきた。

それは考え方によるだろう。

自分が今抱えている問題について考え方を変えれば状況は少しでも変わる。

祈願って、自己暗示なんじゃないかと思った。

幸い、楽観主義な性格のおかげで、悩みは特に無い。

とりあえず、「明日も良いことがありますように」と願っている。

気持ちの持ちよう。

就職活動中、母にしつこく言われた。

「就職先が決まらないから神様にお願いしたら?」

しないよ。絶対しない。

「ねぇこの会社今日の求人広告にも載ってたの!もしかして呼ばれているんじゃない?!」

応募なんか絶対しないよ。ってかそれってブラック企業なんじゃ・・・。

「今日は就職について神さまにお願いしていこうよ」

しないよ。むしろ母(あなた)についてお願いするよ。

「母がしつこいです。私の自由にさせてください。」

私は信者ではない。

神話とかは好きだけど、心のソコから信じているわけではない。

「脱会したい」と、昔から思っていた。

でも無理みたい。

怖い。だから形だけの信者になっている。

私が結婚して、だんなさんが出来た時、きっと母からの勧誘が来るだろう。

そんな時は私がだんなさんを守ろう。

「もういいよ」って言わなきゃ。

それまでは形だけの信者で。

無事に就職先が決まったが、それでも言われる。

「ねぇ神様にお礼を」

そしてまたいつか言われる。

「ねぇ神様に祈願を」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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