短編2
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隙間7

まだ知られていない同じような場所が全国にまだあるそうです。

私は、あの場所を供養して下さいとお願いしてみました。

以前から、あの場所は土地の所有者に頼まれて代々供養してきたために随分と土地が浄化されたそうです。

しかしそれでもまだ完全に浄化するのを阻む原因があるそうで、今回はそのものの仕業だと言われました。

人類は元をたどれば同じ種の祖先になるのだそうです。

つまり命が受け継がれている(縁している)からこそ供養が通じるのですが、私達と全く命の繋がりがなく絶滅した別の人類がある同時期に存在していたそうです。

そのもの達には私達の供養がなかなか簡単には届かないそうです。

それからは近づきませんでした。

六年生になって鬼太郎は得度して、お小僧さんとなり修業生活するのでお別れとなりました。

目的はなんとなくわかっていました。

私は親の仕事の都合で鬼太郎の去った後に転校しました。

社会人として就いた仕事が何かと転勤が多かったのですが、ある転勤先での出来事です。

子供の時にはよくあった路地裏や抜け道もほとんど見かけなくなりました。

転勤して二日目。

仕事帰り翌日は休みということもあり色々と場所を覚えるために歩いて帰ることにしました。

しばらくすると前方を、どこかの会社員の男女が6人で酔い歩きして、これから二次会のようです。

左端を歩いている男性会社員が電柱の物陰に引っ張られるようにスッと隠れて見えなくなりました。他の会社員達は男性に気がつかずに進んでいきます。

男性が全く物陰から出てこないので、通りかかったついでに見てみると男性はいませんでした。

電柱でわからなかったのですが奥には、ちょうど2棟の建物の間のわずかな隙間が存在していました。

しかし約40cm程の幅で、電柱もあるため細身の人が横歩きでどうにか入れる狭さなので、さすがにここには入っていないだろうと思いました。

「男性はどこに?」と思いながら歩き出していると、先程の会社員の方達が立ち止まっています。

私が通り過ぎようとしたとき「〇〇さん、さっきまで一緒だったのにどこ行ったんですかね?」

「帰ったんじゃないですか?」と会話が聞こえました。

さっきの人だろうと思い私は「あの、すみません。先程あなた方の後ろから同じ道を歩いてきたのですが、お連れの男性を後ろに見える電柱あたりにいたのを見ましたよ」と告げました。

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怖い話投稿:ホラーテラー ミルキーウェイさん  

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