短編2
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隙間13

それでも必死にこらえて「そ……それなら…1つだけ…教えてくれ……あとは好きにしていい…頼む命と引き換えだ…」「………イ…エ…」私は、なおも震えながら鬼太郎の火事の件で見かけたやつに聞きたいことがあるので連れてきて欲しいと頼みました。

しかし、それから数分の沈黙が続いて、あちこちからパキッ…パキッと音がしています。

「……キ…タ…」私は恐る恐る後ろを振り向きました。

鬼太郎が用意してくれた懐中電灯でそっと照らします。

後ろにいたのは、どろどろと皮膚が溶ける人らしきものが2体いた。

そのうちの1体が腕に目を険しく見開いたままの老婆の頭だけを抱えていた。

急激に頭痛と吐き気がします。必死に耐えながら「…お前か…何故あの一家を襲った…」

頭が割れそうな、かん高い声で「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ…」と笑いだしました。両手で耳を塞いでも頭の中に響いてきます。

「もう限界だ」と感じていると笑ったやつが畳に溶けて去ろうとしている。

「や…約束が違うぞ!!」と精一杯叫びました。

すると私を狙うもう1体が片手で長い指を使い、去ろうとするもう1体の頭を突き刺して引っ張り上げながら「…コ…タ…エ…ロ……」

すると「…ム…カ…ツ…ク…ン…ダ…ヨ………バ…バ…ア…ミ…セシ…メ…ククク」と答えた。

すると2体は鬼のような険しい表情になった。

「…ク…サ…イ…ボ…ウ…ズ…」すると柱に隠れていた鬼太郎が入ってきた。

鬼太郎を見た瞬間2体は「キィイイイイイイイイイ………」とハモるように叫ぶ。

私は気を失いそうに朦朧としていました。

「引っかかったな。霊道は塞いでおる!もう逃げられんぞ!よくも祖母様を。

お前達ここがどこだかわかっているのか!!……後ろを見なさい」

ここで察したのか「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ……………」と言葉を繰り返す。鬼太郎は、お経を唱えだしました。

すると2体は声にもならない声で叫び、室内が地震のようにガタガタと振動し建物が割れるような音が響いてます。

しばらくすると2体が本尊様の中に、まるで渦にのまれるように吸い込まれていきました。

そして鬼太郎の祖母の顔が宙に浮いて、険しい表情だったのが半眼半口の眠っているような表情になり消えていきました。

私は放心状態で座り込んだままでした。やがて鬼太郎がお経を唱え終わると立ち上がり部屋の照明をつけました。

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怖い話投稿:ホラーテラー ミルキーウェイさん  

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