中編3
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岩魚

俺が中3の時の事です。

当時住んでいた所はかなり田舎で、その頃魚釣りにハマっていた俺には最高にいい場所だった。

ちょっと自転車で行けば穴場がたくさんあるし、もともと水も綺麗な所だから こんな川で?と思うようなとこでも結構魚が釣れていた。

鱒やヤマメを釣っては持ち帰り、それらは俺達の夕飯のおかずや親父の酒のつまみになっていた。

特に親父は川魚が好きで、いつも俺が魚を持ち帰るのを楽しみにしてくれていた。

「次は岩魚が食いてえなぁ。」

笑顔でそんな事を言われると、俺も 「次こそは!」と気合いが自然に入る。

「明日は休みだし…あの場所に行ってみようかな?」

実は前から目をつけている場所があった。

かなり歩くが 川の上流にあたる場所で、小さな滝まであり ここは絶対に岩魚も釣れるはずだと 俺は思っていた。

休日の朝母親に弁当を作ってもらい、俺は早速釣りに出かけた。

弟の竜が ついて行くと駄々をこねたが、めんどくさいのでほっといた。

弟はもう霊感は封じられたはずなのに、何故か霊に好かれるようで ちょくちょく霊がそばに寄ってくる。

気づいてもらいたくて色々アピールするのだが、竜はまったく気づかない。すると次は俺に寄ってくるのだ。

俺はそれがめんどくさくて仕方ない。

自転車に乗り 20分程行くと、山の入口のような場所に着く。そこからは歩き。

ケモノ道のような道を進むと、川のせせらぎが聞こえてくる。

釣りをしない人にも、一度見せてあげたいと思うくらい、その場所は美しかった。

田舎に住んでいる俺は 普段からうまい空気を吸っているはずだが、その場所は特別空気がうまいと感じた。

小さいながらも滝があったせいだろうか?

深呼吸をしてから、釣りの仕度にとりかかった。

釣りを開始してから1時間…まったく釣れない。あたりさえない…。

おかしいな…狙っているとこが悪いんだろうか?

岩魚は非常に警戒心の強い魚だと聞いている。

にしても、他の魚のあたりくらい来てもいいんだけどな。

そんな事を考えながら釣りを続けていると、後ろから突然声をかけられた。

「釣れてるかい?」

驚いて振り返ると、後ろに30代くらいの男の人が立っていた。釣りをする格好をしている。

「え!?あ、いや全然釣れないですね…」

いきなりだったもんだから、思わず釣竿を落としそうになってしまった。

「ここじゃ釣れないかも知れないね。君、岩魚狙い?」

「あ、はい。」

「じゃあね、あそこに大きな岩があるの見える?ああいう所の下を狙ってみな。」

見てみると、30メートルくらい先に大きな岩があるのが見えた。

「俺もあの辺りでやってんだけど、調子よく釣れてるよ。」

その一言で 俺は移動する事にした。

歩きながら、俺が地元の中学生であることや、その人が他県からわざわざこの場所へ来た事などを話した。

「俺が近くで釣っても大丈夫なんですか?」

大岩についてから俺が聞くと、

「あぁ。大丈夫、大丈夫。俺は岩の反対側だからさ。

それじゃ頑張ってな」

そう言って その人は行ってしまった。

すみません、続きは夜になります!

怖い話投稿:ホラーテラー 雀さん  

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