中編3
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彼女の好物

最初に云っておきます。

これは幽霊・心霊関係の話ではありません。

その上、長文ですので、そこのところ、ご了承ください。

では、どうぞお読みください。

これは私が大学2年生の時に体験した話です。

その頃、同じサークルで私がべた惚れしていた

ひとつ上の先輩と付き合う事になんとか成功し、彼女は一人暮らしで

一方私は、その時も家族と暮らしていたので、二人で話した結果

彼女のアパートに連れて行ってもらう事になりました。

この時私は、心の中で『生きてて良かった~』と、しみじみ感じていました。

そういうのも、彼女は大学内でもかなり人気があって

私はその競争で最後まで勝ち続けたのです。

並大抵の努力ではありませんでしたよ。

そして、私はとうとう夢にも願っていた

彼女の部屋の中に足を踏み入れる事ができました。

部屋の中はかなりきれいに整理されていて、私の散らかった部屋とは

まったくの正反対でした。

これを見て、『近いうちに俺の部屋、片付けなきゃなー』と思いました。

しばらく話していると、恥ずかしながら、おなかがなってしまいました。

私はおそらく、顔がかなり赤くなっていたと思います。

すると、彼女は「くす」と笑い、「何か作ってあげるね」と云ってくれました。

『見た目もいいし、性格も良い上に、料理まで作ってくれるだなんて

最高じゃないか』などと思い、ますます彼女の事が好きになっていました。

私はしばらくの間、彼女の後ろ姿をじっとみていました。

かなり手際が良かったです。

20分ほどしてから、料理をテーブルに持って来ました。

チャーハンがあったのは覚えていますが

あとは何があったか、忘れてしまいました。

私は彼女の料理の事をべた褒めしていました。

実際おいしかったです。

しかし、ここからが問題でした。

ご飯を食べ終え、ゆったりとしていると

彼女が何か満たされないような顔をしていました。

私は「どうしたの?何かあったの?」と聞くと、「ううん…別になんでもないけど…ううーん…やっぱりあれ食べようかな。」と云うと、急に立ち上がり、台所に行き、冷蔵庫を開け、何か袋のような物を取り出しました。

すると、袋の中の物を取り出し、またフライパンで焼きはじめました。

私が「何焼いてるの?」と聞きながら

焼いてる物を見ようと、そばまで行って覗きこみました。

そして見ました、彼女の焼いてる物を。

それはどう見ても蜘蛛でした。

「こ…これ…何!?」と聞くと、彼女は平然として「蜘蛛だよ。見てわからない?」と云ってきました。

私は世界で一番蜘蛛が嫌いでした。

私は無言で立ち尽くし、信じられない気持でいっぱいでした。

彼女は蜘蛛を焼きをえ、それを皿にもって、テーブルに戻りました。

「どうしたの?そんな所でじっと立って、こっち来なさいよ。」と云われ、そのままこの家をとび出したいのを耐えて、テーブルに戻りました。

戻ると、彼女は満面の笑みで「いただきまーす。」と云い、バリバリ云わせながら、蜘蛛を食べはじめました。

その時には私は彼女に対する好意は、ひとかけらも残っていませんでした。

私はそれを見ているだけで吐き気がしたので

じっとテレビを眺め、耐えていました。

その間も彼女は「おいしい~やっぱり蜘蛛以上においしい物はないわ。」などと

私には信じられない事をほざいていました。

すると、彼女が急に「ねえねえ、00君も食べない?」などと云ってきました。

私は心の中で『冗談じゃない!蜘蛛なんか食えるか!』と思っていましたが

「だ…だいじょうぶだよ。もう、お腹いっぱいだよ。」と云っておきました。

「そう…とってもおいしいのになー」と悲しそうに云いましたが

全部一人で食べてくれました。

その後、「シャワー浴びてくるね。」と云って、彼女は風呂場に行ってくれました。

私はその間に荷物を全部持ち、彼女のアパートを去りました。

私は大学のサークルをやめました。

それからも、私は彼女に出くわさないように

最新の注意をはらって、気をつけました。

ここまで読んでくれた方、お疲れさまでした。

誤字・脱字があっても、お見逃し下さい。

どうもありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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