最初に云っておきます。
これは幽霊・心霊関係の話ではありません。
その上、長文ですので、そこのところ、ご了承ください。
では、どうぞお読みください。
これは私が大学2年生の時に体験した話です。
その頃、同じサークルで私がべた惚れしていた
ひとつ上の先輩と付き合う事になんとか成功し、彼女は一人暮らしで
一方私は、その時も家族と暮らしていたので、二人で話した結果
彼女のアパートに連れて行ってもらう事になりました。
この時私は、心の中で『生きてて良かった~』と、しみじみ感じていました。
そういうのも、彼女は大学内でもかなり人気があって
私はその競争で最後まで勝ち続けたのです。
並大抵の努力ではありませんでしたよ。
そして、私はとうとう夢にも願っていた
彼女の部屋の中に足を踏み入れる事ができました。
部屋の中はかなりきれいに整理されていて、私の散らかった部屋とは
まったくの正反対でした。
これを見て、『近いうちに俺の部屋、片付けなきゃなー』と思いました。
しばらく話していると、恥ずかしながら、おなかがなってしまいました。
私はおそらく、顔がかなり赤くなっていたと思います。
すると、彼女は「くす」と笑い、「何か作ってあげるね」と云ってくれました。
『見た目もいいし、性格も良い上に、料理まで作ってくれるだなんて
最高じゃないか』などと思い、ますます彼女の事が好きになっていました。
私はしばらくの間、彼女の後ろ姿をじっとみていました。
かなり手際が良かったです。
20分ほどしてから、料理をテーブルに持って来ました。
チャーハンがあったのは覚えていますが
あとは何があったか、忘れてしまいました。
私は彼女の料理の事をべた褒めしていました。
実際おいしかったです。
しかし、ここからが問題でした。
ご飯を食べ終え、ゆったりとしていると
彼女が何か満たされないような顔をしていました。
私は「どうしたの?何かあったの?」と聞くと、「ううん…別になんでもないけど…ううーん…やっぱりあれ食べようかな。」と云うと、急に立ち上がり、台所に行き、冷蔵庫を開け、何か袋のような物を取り出しました。
すると、袋の中の物を取り出し、またフライパンで焼きはじめました。
私が「何焼いてるの?」と聞きながら
焼いてる物を見ようと、そばまで行って覗きこみました。
そして見ました、彼女の焼いてる物を。
それはどう見ても蜘蛛でした。
「こ…これ…何!?」と聞くと、彼女は平然として「蜘蛛だよ。見てわからない?」と云ってきました。
私は世界で一番蜘蛛が嫌いでした。
私は無言で立ち尽くし、信じられない気持でいっぱいでした。
彼女は蜘蛛を焼きをえ、それを皿にもって、テーブルに戻りました。
「どうしたの?そんな所でじっと立って、こっち来なさいよ。」と云われ、そのままこの家をとび出したいのを耐えて、テーブルに戻りました。
戻ると、彼女は満面の笑みで「いただきまーす。」と云い、バリバリ云わせながら、蜘蛛を食べはじめました。
その時には私は彼女に対する好意は、ひとかけらも残っていませんでした。
私はそれを見ているだけで吐き気がしたので
じっとテレビを眺め、耐えていました。
その間も彼女は「おいしい~やっぱり蜘蛛以上においしい物はないわ。」などと
私には信じられない事をほざいていました。
すると、彼女が急に「ねえねえ、00君も食べない?」などと云ってきました。
私は心の中で『冗談じゃない!蜘蛛なんか食えるか!』と思っていましたが
「だ…だいじょうぶだよ。もう、お腹いっぱいだよ。」と云っておきました。
「そう…とってもおいしいのになー」と悲しそうに云いましたが
全部一人で食べてくれました。
その後、「シャワー浴びてくるね。」と云って、彼女は風呂場に行ってくれました。
私はその間に荷物を全部持ち、彼女のアパートを去りました。
私は大学のサークルをやめました。
それからも、私は彼女に出くわさないように
最新の注意をはらって、気をつけました。
ここまで読んでくれた方、お疲れさまでした。
誤字・脱字があっても、お見逃し下さい。
どうもありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話