続きです。
駅へ向かう途中でした。
自転車に乗った若い女性が向かってきました。
すらっとして、ロングで顔は見えなくともタイプでした。
バックミラーで姿を追いました。
転んで倒れました。
助手席のSも姿を追っていたらしく、
「おい、助けるぞ」
と私と霊障受けたKは忘れて意気投合。
その場でUターン。
バックミラーで転んだのを確認できた距離です。
なのに誰もいませんでした。田舎の1本道でした。
いつもはしゃぎながらも内心ビビっている私とSは顔を見合わせて
「んー、ねー?、なーおい?!」
などと???な状況を確認しあいました。
後部座席のKとMにも聞きましたが、片や看病、片や霊障で彼女の存在すら見ていませんでした。
「まさかね~??」
ちょっと不安で、ちょっとテンションが上がりながらも駅へ車を進めました。
駅について一服、距離も時間も十分でKも元気になりました。
不安なのは私とS。
Mに諭されます。
M:「霊感なんていつ身につくっていうか、ついちゃうっていうか・・わかんないよ?」
そう言われた時、全然うれしくありませんでした。
これまでずっとなんで自分には霊感がないんだろう?なんて思っていたのに。
肩が重い、空気が違う、そんなことは感じることができてはいました。
でも見るとなるとやっぱりアレですよね?
心霊に対する興味関心、見たい聞きたいの欲求。
全部吹き飛びました。
本当はなんと表現したらいいのかわかりませんが、“見える”ようになったんです。
あのA大橋へ行った日から数日間、大変でした。
(続く)
怖い話投稿:ホラーテラー まんぶーさん
作者怖話