今となっては腐って干からびているはずですが、この足は今でも生々しく、皮膚の縫い目からは血が滲み出るのです。
誰が何の目的でこのようなものを復元したかはわかりませんが、作ってしまった足には凄まじい怨念が宿っており、勝手に動き出せてしまうほどです。
簡単に処分することができません。
とある場所で処分できる状態になるまで特殊な箱に封印されて供養を続けられていた途中で何者かに盗まれていました。
この足を欲しがり狙っている霊は沢山います。
箪笥の中にいた巨大な顔と無数の腕は複数の霊体が集まってできた姿で肉体の一部を手に入れようと僧侶ごと丸呑みしました。
霊体の中は真っ暗で異常に寒く、苦悩と痛みに叫ぶ悲痛な声がまるで地獄にいるようにこだまし精神を鍛錬した人でないと脳内を洗脳されて同じ苦しみを受けてしまうのです。
しかし鍛錬した人でも限度があります。僧侶は粘液がべたつくなか手探りで数珠を拾うと少しでも長く助かるようにと、すぐにお経を唱えだしました。
僧侶に鍵を開けさせようとした霊体は鍵がないことに気づきます。
霊体は僧侶を霊道に閉じ込めると鍵を探しに闇の中へ消えていきました。
どのくらい時間が経っているのか、感覚が麻痺するほどに寒さと洗脳に蝕まれてきた僧侶の気力・体力は限界にきています。
気を失いかけた時、「あっ!!こんなとこにお坊さんだ」と声がかすかに聞こえて闇からはいる光を感じました。
気づくと僧侶はベッドに寝ています。
「ここは?」と目を覚ますと「あっ、起きて大丈夫ですか?」と声がする。
「まさか…君が助けてくれたのですか?でもどうやって?」
「そうですよ。えっとですね…」
家で留守番の退屈しのぎに、お母さんのお化粧台の鏡で化粧の練習しているところに、鏡の後ろにある仏壇から、お坊さんが一人出てきました。
お坊さんは手を振り下ろすと光の亀裂が生じます。
するとお坊さんは仏壇へと消えていきました。
振り向くと光の亀裂の中からお経の声がして光に近づくと光の先は暗闇に。
そのまま足を進めると倒れそうになる僧侶を発見したそうです。
「助けていただいてありがとうございました。
私は△△寺の〇〇と言います。
命の恩人のお名前を聞いてもよろしいですか?」
「恩人なの私?私は□□友希乃です」 「友希乃さんですか。いい名前ですね」と言うと小箱がないことに気づいた僧侶は箱を友希乃に尋ねますが見てないと言いいます。
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怖い話投稿:ホラーテラー シルキーデイさん
作者怖話