短編2
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友達のお母さん

私の友達のお母さんは、福島県のある田舎町で小料理屋を営んでいます。

ある日、私も友達に誘われてその店に行った時のお話です。

その日は友達3人で行って、料理をつまみながら酒を呑んでいました。

すると、大きな旅行バッグみたいなのを持った男性が1人で店にやって来ました。あんな大きいバッグ持って珍しい人だなぁと思いました。

すると急に友達のお母さんの表情が変わりました。

そして私達にこう言いました。

『あの人、もうじき死ぬよ…』

私達は最初、『何言ってるんですかぁ(笑)』と笑いながら言ってると、

『笑い事じゃないよ』

と、今度は強い口調で言われました。

にわかには信じがたいですが、その表情で嘘じゃないんだ…って思いました。

そして1時間位後でしょうか、その男性が席を立ち帰りました。

そこで、友達のお母さんに何があったのかを尋ねると、

『…さっきの男の人にね、赤いコートを着た女の人がおぶさっていたんだよ…しかも凄い形相でね…』

私達は凍り付いてしまいました。友達のお母さんは霊感体質らしく度々霊が見えるそうなんですが、[死]が近い人がわかるそうなんです。

そして、そんな話をしていると店の外から救急車のサイレンが聞こえてきました。

『近くで何かあったのかなぁ』

なんて話してると店のすぐ近くの交差点辺りで止まりました。

『近いみたいだから見に行くか』

田舎なので野次馬とかもあまりいませんでした。

私達は現場に着いて驚きました。

事故現場を実際に見るのは初めてで少し怖かったのですが見ていると、担架で誰か運ばれているところでした。シートが被せられていてよく見えません。しかし、まだ道路には、靴・バッグなど散乱していました。

『あれ?あのバッグさっき店にいた男の人のに似てない?』

『もしかして事故に遭ったのって…』

私達は急に怖くなり走って店に戻りました。

店に戻るなり友達のお母さんが、

『あの人だったんでしょ…』

と聞いてきた時にはゾッとしました。

次の日、新聞で男性が亡くなったと知りました。

あれ以来、あの店には行っていません。

怖い話投稿:ホラーテラー cocoさん  

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