短編2
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耳鳴

怖い体験と言うよりは、不思議な実体験です。

少しサイトの趣旨とは違うかも知れませんが、ゾッとした事なので書き込ませていただきます。

私がまだ小学生の頃の話です。

その頃鼻炎が酷く、それに伴って耳鳴りがよくありました。

いろんな方が経験されてると思いますが、耳鳴りと言いますと低い音が、ぼわわわ、と響くものと、高い音がキーンと鳴るものがありますよね(他にあったらすいません)

私の場合低い音のものも高い音のものもありました。

あの嫌な感覚にも慣れてきた頃、症状に変化があらわれはじめました。

高い耳鳴りのあと、なにかその場に無いものの音がするのです。

小学校で遊んでいるときに壮大な滝の音。

おうちでうとうとしている時にけたたましい違う国の言葉の会話。

友達とのおしゃべり中に知らない音楽。

最初はびっくりして、今の音楽なんだろうね、とか話してましたが、まわりは皆一様に「えなにそれ?」と言います。

私にしか聞こえない声や音が、その高い耳鳴りのあとに聞こえるようになったのです。

まだ小学生ですから、特に怖いとは思いませんでしたし、なにかラジオを聞くような、そんな気持ちで楽しみにしていました。

そんなある朝、起きた瞬間にあの高い耳鳴りがありました。

五秒くらいの長い高い音が脳に突き刺さり、痛むような感覚。

ああまただ、くらいの気持ちでした。

しかし、次につづいたのはガラスの割れる音、けたたましい爆発音と沢山の悲鳴でした。

身体が固まりました。

何を言ってるか解らない言葉が飛びかい、また、爆発音、そしてなにか固いものが砕ける音、その後は啜り泣くような呻き声が上がり、消えていきました。

心臓がばくばくしました。

いつも聞いてるものとは全く違う耳鳴りに、汗がぐっしょりと滲んでいました。

外を見ても勿論爆発なんてありませんし、その日は普通に学校があったので、私は慌てて朝食をとりに下に降りました。

この事は忘れよう、と本能的に思っていました。

階下に行くと高校生の兄と母親がテレビを見ていました。

朝はニュースを見るので普通の光景ですが、その日は少し様子が変でした。

見れば二人の顔は引きつって固まっています。

母など顔が青かった、こちらに気付いて、大変よ、と一言、テレビを指差しました。

テレビの中では、ビルに二つの飛行機が突っ込んでいました。

高い耳鳴りがあると、それは霊が近くにいる印だと後にできた友人から聞いた話です。

あの時の私にも、何か霊的なものがついていたのでしょうか。

今でも耳鳴りはありますが、もう後に何も聞こえません。

拙い語り失礼しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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