中編4
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満月の夜

コピペ

みなさん。

おはようございます。

こんにちは。

こんばんは。

さて、今日はみなさまにある1人の男の人生をご覧いただきます。

それは果たしてこの世の物なのか。

それとも違う世界の物なのか。

――――――――――――――――――――――――

1988年 8月 27日

高校2年生だった僕は思春期真っ只中。

他の人と同じように異性に興味を持ちだした僕は、前から少し意識いた幼馴染の薫に思い切って告白し、見事付き合うことが出来た。

薫は、時々不思議なことを言う子であったが、とても笑顔が似合う子で僕はそんなこと全く気にならなかった。まぁ、女子と付き合うことができて舞い上がっていたのもあったのだが・・・

それから毎日のように薫を誘い、遊んでいた。しかし、夏休み中は親戚の家に行くという我が家の恒例行事のせいで二週間離れ離れになってしまった。

いつも一緒にいればいるほど、いなくなったときの反動は大きく、それだけ薫が僕の中で大きな存在になっていることを実感した。

携帯電話を薫が持っていなかったので僕たちは連絡を取ることもあまりなく、僕の中でもやもやした気持ちは薫と会うことのできる二週間が過ぎていった。

そして、二週間後僕たちは久々にデートを楽しむために都会へ足を運んだ。

僕たちの住んでいる村は全くと言っていいほど娯楽施設はなく、薫や友達と遊ぶときは常に隣町に行くようにしていた。

しかし、僕たちは久々のデートということで隣町よりもっと遠い、大きくて人のたくさんいる都会の方の街に行くことにした。

久しぶりに行く都会はビルが建ち並んでいるせいかかなり狭く感じたが、ボーリングやカラオケ、ファミレスなど色々なものが充満しているおかげであっという間に時間が過ぎていった。

しかし、どんなに遊んでも僕の視線は薫に釘付けで、これから発展して行く2人の恋を妄想していた。

そしてその帰り道。

薫が秘密の夜景スポットがあるといい、そこで夜景を見ようと誘ってきた。

自己主張の少ない薫とは思えない雰囲気に少し圧倒されながらも僕は薫に着いていった。

深い闇の中を書き分け僕達は草をかきわけ、獣道を進んで行く。

どうやら薫は中学生の時にたまたまこのスポットを見つけて自分の秘密基地のようなものにしたらしい。

時計を見ると山に入り始めてからもう30分も経っていた。

「やっぱ好きな人と一緒にいると時間が早く経つな〜」

なんてニヤニヤしながら歩いていると、薫が立ち止まりそして急に駆け出して行った。

突然に行動に驚きながらも、頑張って薫について行くとそこには小さな社とその周りに池があり、他は草原になっているこざっぱりとした草原が広がっていた。

空には満天の星空が広がり、社は満月を背負い池には綺麗な月が映っている。

さすが、薫が進めるだけはある。本当にすごい夜景スポットだ。

5分ほどだろうか。あまりの星の綺麗さに放心状態になって見とれていた。

僕は、彼女に話しかけようと思い辺りを見回したが薫の姿がない。

焦った僕は、あたりを見回して薫を探す。

気温の寒さとは違う、なんだか気持ちの悪い寒さを感じた僕は少し恐怖感を持ちながらも消えてしまった薫を探していた。

「キィ…」

近いところから何かの音を聞いた・・・

どうやら、音は社の方から聞こえてきたようだ。

そっちの方をみると薫が社の前で何かをしてた。

どうやら社の扉を開けようとしているらしい…

「かおる!かおるっ!」

何度も声をかけたがどうやら社に夢中になっているようで僕の声は全く聞こえないようだった。

僕はおそるおそる薫に近づき、肩をたたく。

その瞬間。

薫はこっちを向き、満面の笑みでこういった。

「あははははははははは・・・ばいばい・・・」

そして、まばゆい光が僕を包み、ゆっくりと意識が遠のいていった。

気が付くと、僕は小さな部屋にいた。

部屋の中には

上下に続く螺旋階段

しかなく、机の上にはパンと水、そして紙とペンがおいてあった。

ここは社の中なのであろうか。

しかし、あの社は小さな小屋で上や下などあるわけ無かった。

僕は、状況を把握するために窓を覗く。

そこには見たこともない光景が広がっている・・・

遠い地面

明るい月

近い雲

どうやらとても高い位置にいるらしい。

何故なのだ?

僕達はたしかに社にいた。

僕は考えるのを辞め、下に降りるために階段を下りる。

螺旋階段を降りながら下に降りる。

下にはまた部屋があり、さっきの部屋と寸分変わらない部屋が広がっていた。

僕はどんどん螺旋階段を下って行く。

一つ・・・一つ・・・

階段を降りて行くたびに恐怖心が増して行く。

階段を降りるたびに色々と疑問が浮かぶ。

薫って誰なんだろう。

ここはどこなんだ。

部屋に書いてある『199332234』とは何なのだろう。

様々な思いが交錯しながらも、僕は階段を降りて行く。

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

どれだけの時が現れ、去っていったのだろう。

唯一僕のつけている時計だけが時間を知らせてくれる。

僕は、この出来事をこの紙に記す。

僕の他にもこの部屋に訪れた人のために・・

2009年 10月 22日 部屋番号『194787874』

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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