中編3
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ここよ

A家の平和な日常に終わりが来たのは、突然のことだった。

Aの母がいなくなったのは、一週間前のこと。買い物に行ったAの母はそのままいなくなり、行方不明になってしまった。

Aの父は捜索願いを警察に出し、AもAの父と一緒に、できる限りの範囲で母の事を捜していた。

だが、手がかりは見つからず、警察の捜索もまったく進まずそのまま一週間たった。

その日もAは学校を休み、母を捜しに行った。

何も情報が得られず、うなだれたままAが帰ってきたのが正午だった。

(今日も何もなしか...)

と、Aが落ち込んでいた時だった。

「ここよ」

....えっ?

「ここよ」

お母さん!

家の中から声がした。

Aはその声をたよりに、必死に母を捜した。

ここだ...

声がしたのは、父がいつも寝ている部屋の真下からだった。

どこだ!

Aは、何かこの下へいける場所はないか、と捜した。畳をすべてはずし、むき出しの床をくまなく捜した。

あった。

小さくてわからなかったが、床の真ん中に金属の止め具がついており、それをとると床が開くようになり、人が一人通れるぐらいの穴が現れた。

Aは、おそるおそる穴をのぞいた。

そこには、六畳ほどの部屋があった。部屋とゆうより、何もない空間だった。

その真ん中に母がいた。

とても綺麗に解体されたすがたで。

体のありとあらゆる部分が綺麗にとりだされ、順序よくちかくに並べられていた。まるで、プラモデルをばらばらにしているようだった。皮がはがされ、残っている内臓が見えている。まだ全てを解体していないようだった。

Aは思わず吐きそうになった。

そのとき父が帰ってきた。

「父さん!!」

「ん?どうしたんだ。」

「なんだよこれ!!」

Aさんは、父にそれを見せた。すると父は、

「ここで見たことをだれにもゆうな。いったらどうなるか、わかるな?」

「えっ?」

「お前はもうここには居れない。出て行く用意をしろ。」

「えっ!ちょっとまっ...」

「それ以上きくな」

そういった父の目は、いつ殺してもいい、というめをしていた。

何がなんだかわからなかった。買い物に行って、居なくなったはずの母が、なぜここにいるのか、母は父が殺したのか、あの母の声はなんだったのか、わからないまま夜になった。Aは、言われたとおり、出ていく用意をした。

こんなとこいれるわけない。

そしてその夜Aはみてしまった。

母の残った部分を解体している父。解体が終わったのか、父は誰かに電話をしていた。

「....はい。もう、準備はできてます。....今全部ばらしたところです。..はい。....わかりました。」

...誰と電話しているんだ。

「Bおばさんに連絡をとった。理由は適当につくれ。いいか、ここのことは忘れろ、だれにもゆうな。わかったか。」

そこにはもう父の面影なんてなかった。

荷物をもち、Aは家を出て行った。

父はいったいどうなってしっまたのか、電話の相手はだれか、わからないことだらけの中、Aには一つだけわかることがあった。

父はもうすぐ、死ぬ。

Aは家を出るとき母の声を、聞いたのである。

「もう、父さんには、二度と会えなくなるから。」

怖い話投稿:ホラーテラー 青二才さん  

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