短編1
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赤い手

今から10年近く前、新宿のクラブで毎晩ハバきかせてた頃、怖いもんなんか何も無かった。

その日は調子に乗って仲間内の女の旨を揉んだ野郎を路地裏でシメたんだ。最後にはソイツ泣きながら土下座するもんだから許してやった。

何を感動したんだか抱き着いて来やがって…はね除けてまた殴ってその日は終わり。 家でシャワー浴びていると鏡に赤いモノが映り込んでいるのに気が付いた。

湯気を取りよく見てみると、掌の形をして赤くなっていた。あの野郎が抱き着いた時に血を着けやがったんだと思い、ゴシゴシ洗うと血が落ちた。 気分悪かった。

次の朝、息苦しくて目が覚めた。寝汗でびっしょりだった。

洗面台で顔を洗い、顔を上げると首を絞めるように掌の形が赤く浮かび上がっていた。その後何も無いが、あの時許してなかったらと思うとゾッとする。

私は98歳のおばあちゃんですヨ《オワリ》

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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