中編3
  • 表示切替
  • 使い方

最後に見たモノ【弐】

遅れました。

続きです。

週が変わって月曜日。

学校に行くとみんなは揃っていた。

流石にいつもの調子では無かったが、一人々の顔を見たらなんか安心した。

現場を見た奴にはみんな、少々気を遣っているらしく『大丈夫か?』だの『帰り、一緒な!』と声を掛けていた。

放課後。

あの男性と目があった奴が気持ちの整理が付いたらしく、ゆっくりと話し始めた。

「電車の先頭に行くつもりじゃなかった。

横には飛び跳ねた血の跡が見えて止めようと思ったが……勢いで前に行っちまった。

信じられないと思うが、顔が考えられない方に向いてんだから即死に決まってんだろ?

でもよ……動いたんだよ。

目だけが…俺の方に…。

俺を睨んだんだ…。

それを見た瞬間……俺!」

思い出すのが辛そうなのでみんなで話を止めた。

最後にそいつが一言、

「あの自殺した人……あの時、この世で…最後に見たモノが……俺か?」

卒業後、そいつとは疎遠になっていたが、同じ地元の友人の話ではあれから病院や霊媒師の所に通っているらしいとの事。

夢にも出て来るらしくノイローゼ気味だったそうだ。

そのせいかは知らないが、家族揃って引っ越したそうだ。

従兄の話になるが、やはり直ぐには聞けなかった。

近所に住んでいるが滅多に会うモノでもなく、どちらかが家に行かなければ会う事はなかった。

会ったのは1年くらい経った、自分の成人式だった。

お祝いを持って来てくれた時に思い切って聞いてみた。

「潔ちゃんさぁ、1年くらいか前に〇〇駅の飛び込み自殺あったの知ってる?

あん時、見たんだ!

警察官と一緒に歩いて行くとこ。

潔ちゃん、運転手だったんでしょ?」

すると従兄はニコッと微笑んで、

「お前もしかして何年もその事、聞きたかったんじゃねぇの?

心配かけたな。

あの事故は俺の部下。

それも、まだ成りたての若い奴でな…気の毒だったよ。」

従兄はその頃には昇進していて運転手はもうしていなかったそうだ。

ちょっとホッとした。

従兄は話しを進め、

「この業界にいれば、自殺や事故は多かれ少なかれ、遭遇する。

でもなあの事故、その部下から詳しく聞いた時、背筋が凍る思いをしたよ。

男性が飛び込んだ時……

目が会ったんだってよ…。

それも、ジッと見ながら。

俺は幸い、まともに遭遇した事は無いが、周りの話でも目が合ってしまうと言うのは聞いた事が無いんだ。大体目は瞑っている。ましてや目が合うなんて…。

その部下は運転手を辞めて事務職に変わったよ。

最後に一言、

『あの人が…最後に見たモノは……僕…なんですね』

何か可哀想たなと思う一言だったな…。」

それを聞いてアイツと同じ事を言っていると思い、ゾクッとしました。

警察の調べで遺書がバッグから見つかり、確実に自殺と発表されたそうだ。

あの自殺をした男性は2人の人生まで狂わしたと思う。

自分の友人は自業自得な所もあるが狂ってしまったには違いが無い。

運転手の若者にしたって、難しい試験もあっただろうし、長い期間の研修や訓練もあったでしょう。

それを考えると、悔しい気持ちと背筋が凍る思いです。

分かりにくい文章でごめんなさい。

自分の投稿は本当にあった話なのであまりオチは無いです。

それでも良い方だけ見てやってください。

最後まで読んでくれた方々、有り難うございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 濱っ子とうちゃんさん  

Concrete 59189e6fb4d79119a63e92183ffb92aeb8f46031afd97d5db060811ce15c35e6
閲覧数コメント怖い
13100
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ