短編1
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見える人

特に怖くは無いけど、こういう人もいるらしいですよって話を一つ。

私の友人Aは所謂見える人である。

その友人Aについて、少し話そうと思う。

Aは小さい頃から、部屋の角や天井に向かって、手を振ったり、指を指したりと周りの人々を心配させていた。

Aの祖父が亡くなったときも、部屋で一人きり、「じいちゃ、じいちゃ」と、見えない誰かとお喋りをしていた。

そんなAの家に何人かで遊びに行ったことがあった。

Aの家には霊道と言われる霊の通り道があるらしく、Aの体質もそのせいではないかと思われた。

二階のAの部屋で各々くつろいでいると、下の階から足音が聞こえてきた。

ついさっき下の階にジュースを取りに行ったAだと思ったが、足音は向かいの部屋へ入っていった。

また足音が聞こえて、Aが部屋に入ってきた。

ちなみにその日、家にはAしか居なかったそうだ。

夜になり、ご飯も食べて、しばらく遊んで、眠くなったので布団を出そうということになった。

別の友人が「ふとん、ここ?」と押し入れを開けようとすると

「開けないで。もう一階にひいてあるから。絶対開けないで。」

とのことだった。

次の朝はA以外全員が寝不足でフラフラしていた。全員が、もう二度と来るものかと思っていた。

怖い話投稿:ホラーテラー しろくろさん  

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