家に帰ってきた。
両親は帰省しており、姉は友人と旅行にいってるので今日からしばらく家には俺1人だ。
2階の自分の部屋に入ろうとおもったら隣の姉の部屋から物音がきこえた。
特に気にしなかった。物音ぐらいなるだろう。
そのとき姉にマンガを貸していることを思いだし、風呂が沸くまでのあいだ読んで時間をつぶそうと姉の部屋にはいった。
散らかっている部屋をみて今朝旅行にでかける際に慌てていた姉の姿を思い出した。
マンガを探そうと部屋の電気をつけようと思ったときなにげなく見た姿見。
外の街灯の淡い光が窓からさしこみベッドの下に潜む「何か」を鏡に映しだした。
そこには見たことのない男がうつりこんでいた。
寒気に襲われ俺は慌てて部屋をでて、1階の居間に逃げた。
なんてこった。いや古い家だから仕方ないかもしれない。
それにしても幽霊ってやつは話にあるとおり最悪のタイミングで現れるもんなんだな。
よりによって家族全員が出払っていて俺1人のときにでるなんて。
しかも奴さんまだ追いうちをかけるつもりらしい姉の部屋のドアが開く音が聞こえた。
俺は幽霊なんかに負けたくなかった。
居間から急いで玄関にきた俺はドアをあけ、家の外から2階へと続く階段を睨みつづけた。
さて、どうでるかな…
するとそいつは全速力で階段をおりてきた。恐怖をあおるような特別気持ち悪いおりかたでもない。
そしてそのまま俺の横を素通りしていっちまったんだ。
幽霊ならスゥっと消えたりしそうなもんだが、いつまでも消えない後ろ姿を眺めながら思った。
あぁ、幽霊じゃなくて泥棒だったのか…
全身に鳥肌がたった。
怖い話投稿:ホラーテラー 剛健美茶さん
作者怖話