短編2
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予知夢妻

俺の妻は時々、予知夢を見ます。

妻が言うには、これから起こる事そのものズバリが見えるのではなく、

起こる事を象徴するような何かを見るのだそうです。

「そんなの、何にでもこじつけられるじゃん!」

と、軽く馬鹿にしていたのですが・・・・

昨夜のことです。

夜中に突然、寝ていた妻が立ち上がり

「今、妹が子供を産んだ!」

と叫んで、また横になり眠り始めたのです。

(・・・強烈な寝言だなぁ。。。)

と、ちょっと感心しながら

(よし!妻をからかうネタ一つGET!)

と密かにほくそ笑み、俺も再び眠りにつきました。

そして朝、妻が

「国際電話を掛けたいんだけど、いい?」

と言ってきました。

妻の妹はアメ人と結婚して今、アメリカに住んでいます。

お互い忙しく、時差もあるので話すのは数年ぶりとの事。

「よかよか。いくらでも掛けたりんさい。」

と、どの地方出身なのかよくわからない言葉で良き旦那を演じる俺。

電話が繋がり

「もしもし?産まれた?」

(・・・おいおい、数年ぶりで話すのに、いきなりそれかい?せめて前置きに予知夢の話をするとかさぁ。。。そもそも妊娠していたかどうかも定かではないのに・・・)

と、思っている俺に向かって妻がガッツポーズ!

「女の子だって。今朝(日本時間昨夜)産まれたって!」

・・・・何か俺、拍手しちゃいましたよ。

ちなみに、その時見た予知夢というのは

『白い猫が一匹、十字路を左に曲がった。猫の後をつけて自分も角を左に曲がったら、猫の後ろに子猫がついて歩いていた。』

というもの。

何となく分かるような分からんような。。。

妹とどう結びつくのか。。。

ま、いいか。

妻は予知夢を見る! これでオッケー!

・・・えっ? これの何が怖い話かって?

夜中に素っ裸の妻(一戦後爆睡)がベッドの上で立ち上がり、大声で叫ぶ。。。

オッカナカッタデスョォ。。。

怖い話投稿:ホラーテラー 特命さん  

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