短編2
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子供

この話しは18歳の時に体験した話しです。

自分は当時キャバクラのボーイをしていました。

その日も普段通りに仕事を終え、午前4時頃に店を出ました。

いつも車で出勤しているので、

車を停めている駐車場まで少し距離がありますが、近場に月極の駐車場がないため店から歩いて5分程度の場所に借りていました。

その日は平日という事もあり、

通りには、キャバ嬢、ホスト位しか居なく何時もと変わらない風景でした。

自分が借りている駐車場は通りから少し離れた裏路地にあるのですが、そこを歩いていると自分の目の前を5〜6才の男の子が走り抜けて行きました。

「何でこんな時間に子供が?」

と思い、子供が走って行った路地を覗いても、自分が借りている駐車場しかなく、しかも、駐車場からの抜け道は無く一本の道しかありません。

おかしいなぁと思いましたが、駐車場には何台か車が停まっていた為、親子連れか何かだろうと思いました。

そして、自分の車に乗り込み車を発進させ帰りました。

自分の家はそこから遠くない距離ですが、信号が何ヵ所かあり、その1つの信号に引っ掛かりました。

信号待ちをしている時に、カーステレオを触っていた為、信号を見ていませんでした。

なので信号が青に変わっても気付かなく後ろの車にパッシングとクラクションを鳴らされて、青になった事に気が付きました。

その時に咄嗟にバックミラーに目を向けると自分の車の後部座席にさっきの男の子がポツンと座って自分の顔を見ていました。

目があったその瞬間に自分は見てはいけない者を見てしまったと思い、ミラーを上に向け、すぐに家に帰りました。

家の駐車場に停める時も後ろを見ないように、車を頭から突っ込み、後ろを見ないように車から降りました。キーレスで一応鍵をし、部屋に向かいました。

マンションの階段を登ろうとし、ホールに入った瞬間、自分の車のセキュリティーが鳴りだしクラクションと共にハザードランプが点滅し始めました。

自分はあまりの恐怖で逃げ出したかったのですが、このままだと近所迷惑になるので恐る恐る、車に近づきました。

辺りに人など居なく、取り合えず車を覗き込んで見ると、さっきの男の子が車の中で、ニヤリと笑い、こちらを見ていました。

その場でセキュリティーの解除をし、ロックを掛けないまま部屋に逃げました。

その日は部屋の明かりを全部付けてTVを付けて過ごしました。

そしてお昼過ぎに自分の車を見に行く事にしました。

車の中を覗き込んでも、男の子はいませんでしたが、窓ガラスには、中から触った小さな手のような汚れが数ヵ所付いてました。

この車に一度も小さい子供は乗った事はありません…

あなたも一人で運転中、後部座席に見知らぬ子供が乗っているかもしれませんよ?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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