中編3
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消えた友人

乱文、雑文かもしれませんがご容赦下さい。

暇がある方に読んで頂ければ幸いです。

数年前、まだ僕が高校生だったころの話です。

その当時、僕を含めた友達五人で宅飲みをするのが毎日の日課でした。

その日も、いつも通りに五人で飲んでいたんです。

確か時間は夜12時を回っていたと思います。

いきなり友達の一人(以下A)が『心霊スポットに行こう』と言いはじめて、最初みんなは断りました。

しかし、それでもAは負けじと誘ってくるので渋々了解をし、五人で向かいました。

少し酔っていたのもあり強気になってたんだと思います。

その心霊スポットは、昔たくさんの人が亡くなったらしく閉鎖になった病院でした。

よく聞くような『取り壊そうとしたら、不慮の事故がありそのまま放置されている』的な感じで、その廃病院に幽霊がいるとか信じてなかったんです。

ちなみに、五人とも霊感はゼロです。

酒を飲んでいた友達宅から、歩いて30分ぐらいかけてその廃病院に着きました。

実際見てみると、ちらほら近くに民家はあるものの嫌な雰囲気が漂ってました。

ちょっとビビりながら『やっぱ辞めとく?』みたいな会話をしましたが、Aだけが行く気満々でした。

Aを除く四人で『こいつ取り付かれてんじゃん?』と相談したんですが、誰も霊感なんてないので払う事はおろか、気づく事も出来ませんでした。

結局、行けばAも気が済むだろってなって廃病院に向かいました。

近くまで来て見ると、3階建ての長方形みたいな形の廃病院でした。

入り口は木の板で塞がれていて侵入が不可能だったので、入れそうな場所を探しました。

少し歩いたところに、急患専用みたいな入り口がありそこから侵入しました。

入ってすぐ、受付があり受付の中にはカルテがありました。

別に得に変わった物はなく、他の場所に行こうって事になり3階から順番に行き、どんどん下に降りて行く事になりました。

3階は入院患者用の部屋やナースステーション等があったと思います。

この時初めて気づいたのですが、この病院は長方形だと思っていたのですが、ロの字型で案外大きい病院でした。

そして、2階に降りて散策しましたが3階と作りは一緒でめぼしいものはありませんでした。

1階は、診察室や手術室らしきもの(怖かったのでさすがに中には入れなかった)があり別段変わった物は見つけられませんでした。

正直拍子抜けしましたが、それなりにスリルを味わえたので帰る事にしました。

廃病院から出て、少し歩いた時にAがいない事に気づき他の三人に『Aどこにいんの?』って聞いたら、三人とも『は?』って顔して、『誰だよそいつ』って言われました。

最初僕は『こいつらふざけてんのか?』って思いましたが、いくら問い詰めてもそんな奴知らないの一点張り。

いよいよ意味がわからなくなり、とりあえずAの携帯に電話をしてみました。

すると聞こえてきたのは『おかけになった電話番号は現在使われておりません』と機械的な声がして、何回も番号を見直しましたがやっぱりAの番号でした。

本当に頭がおかしくなったと思いました。

その日は、一旦帰り飲んでいた友達宅に泊めてもらいました。

次の日起きてすぐ、泊めてもらった友人にAの事と今までの事を話しました。

そしたら、今まで一緒に飲んでいた人数は四人で五人いた事はないし、そんな名前の奴知り合いにいないと言われました。

学校でもAを覚えている人はいませんでした。

Aは学校では目立つ方だったのにみんなの記憶から消えているのが、とても恐ろしかったです。

数年経った今も、Aは帰ってきてません。

あの日廃病院に行こうとしたAを止めていれば、まだ五人で楽しく飲んでいたのかと思い後悔しています。

オチもないけれど、この話はこれで終わりです。

このサイトなら、似たような経験をした方がいるかもしれないと思い投稿しました。

長文にお付き合い頂きありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー かりゆしさん  

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