短編2
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酒泥棒

最初に、あまり怖い話ではありません。

今から15年ほど前の話です。

私は友人A、B、C子(Bの彼女)の4人で夜桜を見ながら飲んでいました。

場所は市内の大きな公園の横で、街灯もあり結構明るい所でした。

GW過ぎだったので桜も散り始めていましたが、飲むきっかけが欲しかっただけなので気にはしていませんでした。

最初はワイワイ飲んでいたのですが、途中Aが酔っ払ってダウン。

BとC子は酔い醒ましに散歩して来ると席を立ち、私は一人で飲んでいました。

10分くらいすると散歩に出かけたC子が走ってきました。

私は「Bはどうした?」

と聞くとC子はあきれながら

「水路に落ちた、助けてやって」

と言うので、寝ているAを放ってBのもとへ向かいました。

コンクリートの水路は幅・高さ共に2mくらいで、下を見るとBがびしょ濡れで突っ立っています。

私は「つかまれ」と手を差し伸べBを引っ張り上げ

「小便でもして落っこちたのか?」

からかい半分で言うとBは震えながら

「C子と並んで歩いていたら急に水路に引っ張られた」

と言います。

よく聞くと、二人は水路の脇をBを水路側にして並んで歩いていたそうです。私は

「酔ってるし気のせいだろ」

と諭し、3人でAの元へ戻りました。

戻ってみると今度はAの姿が見えず辺りを見渡すと、少し離れた場所でうずくまるAを発見しました。

近づくとAは必死に「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返し謝ってます。

私はAに駆け寄り肩を揺すりながら

「どうした?大丈夫か?」

と声をかけると、Aはみんなの顔を見て安心したのか少しずつ落ち着きを取り戻しました。

何があったのか聞くとAは

目を覚ますと誰も居なかった。

小便をしようと道路脇で用を足していたら、私達の場所に薄汚い格好の男が座って酒を飲んでいる。

文句を言おうと近づくと男はAの目の前で消えた。

それを聞いて気持ち悪くなり私達は帰る事にしました。

結局なんだったのか分かりませんでしたが、その近郊は自殺者がいたり昔監獄があった場所でした。

怖い話投稿:ホラーテラー バジリスクさん  

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