短編2
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あれほど言ったのにね

――深夜のファミレス

友人の相談に付き合っていた、と言っても解決はしたのだが。

先に言っておくと俺は「見える」側の人間だ。

解決したは良いがコイツは男のくせに話が尽きない。ほとんど一方的に喋ってくる。

俺等が店に入った時には客は居なかったが、いつの間にか2つ向こうのテーブルの丁度俺の真向かいに女が座っていた。

見た感じ美人だが生気が無い。そしてこちらを瞬きもせず無表情で見てくる。

気分が悪い…憑かれる前にここを出たいな…

しかし友人の話は終わらない。

「なあ、そろそろ出ようぜ?」

「えー?まだ話し足らねぇよ」

その後何度も帰るのを促したが、帰る気ゼロだ。

いつの間にか女は隣のテーブルまで来ていた。

流石にヤバいと思い

「悪い、明日朝早いんだった。帰るわ。お前も帰るよな?」

「いや、どうせだから朝までここで時間潰すよ、じゃあな」

これ以上いるのは危険だ…会計を済ませ俺は店を出た。

そして外から友人を見たら

真正面の今まで俺が座ってた席に女が座り

友人を凝視していた。

いや、それだけじゃない、隣にも居た…同じ女だ。

俺じゃ無かったのか?

そう思いつつ絶句してると耳元で

「あれほど言ってあげたのにね」

と聞こえた瞬間

俺は思い出した

この店って潰れてたはず…

目の前の店を見ると

暗い店内に友人が1人

周りをあの女に囲まれつつこちらに笑顔で手を振っていた。

怖い話投稿:ホラーテラー 春の使者さん  

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