湿った空気がまとわり付いてくるような夜だった。
友人宅で酒を飲み、各々雑魚寝し始めた頃だった。
タバコが切れたので買いにいこうと、みんなを起こさないよう注意して外に出る。
月が雲に見え隠れしていた。明日は雨だろうかと考えながら、コンビニを目指す。
途中、小さな公園の前にさしかかった。
公園からはキィキィという音がかすかに聞こえた。
音の出どころが気になり、公園の方をふと見た。
キィキィというのが、ブランコの音であるのに気付いたのと同時に、自分の目を疑った。
ブランコには、小学生くらいの女の子が座っていた。
すぐにそれが人間ではないことに気付き、冷たい汗がドッと皮膚から吹き出る。
女の子はこちらに気付き、俺の目の前まで来た。逃げたくても足が動かない。
女の子はじろじろと俺を見る。血の通ってないような青白い肌、大きな瞳は俺の顔をじろじろと見ている。
「…違う…。」
それだけ言うと、女の子はまたブランコを揺らし始めた。
気が付くと、走っていた。最後に見たのは、公園の前に供えてあった花。
あの女の子は探しているのだろう。
自分を殺した人間を。
あのブランコに乗って
怖い話投稿:ホラーテラー しろくろさん
作者怖話