中編3
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度胸試し

小学校の運動会。

最後の種目に地区大会リレーなるものがあった。

この村ではそのリレーに勝つとおめでとう会、負けると残念会という

地区ごとに公民館に集まる、子供会というものがあった。

昼、夕食を親たちが作り、子供達だけでゲームとかして遊んだり、

夜には花火大会、そして度胸試しというのがラストにある。

高学年がそれぞれ隠れてお化け役をやり、

低学年の私たちを驚かすという企画である。

場所は夜の公民館の外。

ちなみにここは古くからの村の共同墓地でもある為、かなり広い。

周りはほぼ街灯も無く、林でうっそうとしていた切り開いた山の中にあり、

登り坂になっている。公民館をちょっとでも離れると真っ暗で、

足下は土な為、結構歩くのに困難だったりする。

整備されてる墓とは違い、その当時はまだ土葬もあったし、

ちょっとした道があるだけで街灯は2,3本しか無かった。

それもかなり細く、暗い今でも切れそうな古い街灯とかね。

40cmぐらいに盛ってあるだけの土とかも多い。

苔むして崩れかかった墓石も多かった。

昼間塾もここでやるのでその合間に鬼ごっこをしてると、

間違って踏むこともあるし、古い墓石を倒すこともよくある。

夜になり度胸試しの時間になった。

もちろん怖い物の好きな私が「最初に行くー」と言いだした。

小さい懐中電灯と手書きMAPらしく物を渡され、

1人ずつ行く事になる。

通りから公民館の入る細い入り口からスタートであった。

あたりは最初竹藪ですでに真っ暗である。

1年生の私は怖い映画で結構慣れており、

白い衣装を着た「化けてやる~」と言いながら来るお化けに扮した

高学年が墓の間だから所々出てきても、泣きもせずに、

喜んでいたものだった。

特に最初のおじいさん顔がどあっぷで「こっちに来るな!」

と怒った顔が迫力あって映画みたいと思っていた。

しかし結果的にはゴール地点で最後、号泣きしたのである。

運動会の1ヶ月ぐらい前に話を戻す。

学校から帰ると祖父はなにやら喪服をきており、でかけようとしていた。

友達が亡くなったため葬式にでかけるとの事だった。

その家まで、父親と一緒に車で行き、20分ぐらいの場所に着くと

バスが止まっていた。どうやら斎場までマイクロバスで行くらしい。

バスに乗ると、助手席に誰もいなかったように思ったが、

助手席に乗っていたおじいさんに急に話しかけられる。

「○○さん(祖父の名前)の孫かい?赤ん坊の頃わしに逢ったこと

あるんだよ覚えてないだろうけど。」話はこれぐらいだったような気がした。

ずーとそのおじいさんは前を見ていたので顔は分からない。

収骨が終わると、父親が迎えに来たのでそのまま家に帰った。

約1ヶ月後ここの墓地に納骨に行くのも一緒に行った。例の共同墓地である。

度胸試しに話を戻す、高学年の子が泣く自分を見て

「ほら、この墓石触ったらゴールなんだよ。」

そう言ってなだめた。でも触れなかった。

最初にいたおじいさんの顔がものすごく怒るからだ。

その声はバスで、話しかけられたあのおじいさんの声で、

触る墓というのがそのおじいさんの墓だったからだ。

たぶんおじいさんは驚かす為に出てきたと思う。

その後夢で必死に謝っていたから

怖い話投稿:ホラーテラー 猫まんまさん  

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