短編2
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親友が…

これはかなり前に私が体験した本当にあった実話です。A子という友達がいました。彼女は誰もが認める綺麗で可愛い女性です。性格も明るく優しく、義理人情に厚く、竹を割ったような サッパリとした…本当に羨ましいほどの女性でした。

そんなA子がある事件に巻き込まれ 19才の若さで亡くなってしまいました。

昔あった「フォーカス」という雑誌にも載った程の事件でした。

A子が亡くなってから数ヶ月後 「○ホテルに幽霊が出るんだって!」

「知ってる~確か女の子が殺された○ホテルだよね!」 私は霊の存在を否定はしません。仕事上何度も見たり聞いたりしているので

けれど…自分の友達が…そう思うと、助けてあげる術を知らない自分がもどかしく感じていました。

お線香の一本でも…と思い 彼とそのホテルの部屋に入りました(何度か通って、やっと空き部屋になってくれました)

部屋に入り A子が好きだった、かすみ草をベッドに置いて テーブルの上で お線香を焚き 彼と2人で(A子は彼の幼なじみでもありました)手を合わせた時でした。

電気が、明るくなったり暗くなったりし出しました ライトのつまみはベッドの横にあるので

足元に居る私達は触る事はできません。

その内 バスルームから勢いよくシャワーが流れ、ベッドが小刻みに揺れだしました。外に出たくてもドアが開きません(今みたいに自動ロックでは無いので開かないはずはないのですが)フロントに電話してもまったく繋がりません。呼び出し音も鳴っていませんでした。「ぐぅぅ…ぐぅ…う…」苦しそうな唸り声が聞こえてきます。

彼が突然

「苦しかったんだよな!悔しかったんだよな! 助けてやれなくてごめんな!」 泣きながらA子に話しかけました。

とたんに電気が付き シャワーが止まり もうベッドも揺れてませんでした。

そんな事があってから

数年後 某雑誌の心霊スポットに ○ホテルの窓辺に女性が立っていると、紹介されてました。

霊能者のコメントまでついて…

友達が…有名な心霊スポットの一つになるなんて… 今はそのホテルはもうありません。

思い出すと今でも切なくなります。

私と同じように 友達が

心霊スポットの主になってしまった方って居るのでしょうか…

怖い話投稿:ホラーテラー まりもさん  

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