中編3
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図書館と館長

ある古い図書館で、調べたい本があったので探していると、黒い表紙で何も書かれていない本がありました。手で取ってみると、鍵つきでした。

図書館の館長に話を聞くとこう告げられました。

「この本は、有名な作家が書いた小説なのだが」

と、ここで館長が口をぶつぶつと言っていました。

「館長?」

「はっ!!」

「大丈夫ですか?」

「あ、ごめん。えーとね、この本は借りないほうがいいよ。」

このときの館長は少し変だった。いつもは、明るくて元気一番で声をかけてくる40代の男性だった。

なのに、今は別人。

説明しにくいのだが、表情が出てないというか…変というか。

(すいません。言葉や文字では表現できません。)

館長がこう言ってきました。

「この本は絶対借りないほうがいい。絶対だ!!もし、借りるのなら責任は問わないぞ!!」

と、館長が言うので断った。

さすが、気になったが、館長が言うのだから、危ない本なのでしょうね。

次の日、ぼくは風邪で寝込んでしまった。ぼくは、あの本が気になったのだが、今は風邪を治るのを重視した。

翌日には、風も治り、図書館へ向かった。

図書館へ着くなり、図書館の様子が変だった。

扉を開け入ると、暗くて、カーテンも開けていない。

いつもなら、館長が来て、話しかけてくれるのだが、いない。

仕方ないので、借りたい本だけを借りていこうと思い、本棚を一列ずつ探しました。

ここの図書館は、店員がいなくても、カードさえあれば、借りることができるのだ。ただしこの場合は、3日間でしか借りれないのだが。

順番に棚を調べていると、前に来た黒い表紙の本を見つけた。

本を調べると、鍵が開いていた。

ぼくは、本を開いてみたが、字は書いていなく、あるのは白紙だけだ。

「なーんだ。たいしたことなかったなあー」

ぼくはその本を棚に戻して、次の列へ向かった。

が、結局見つからなかった。時間を見ると、15時だった。

「あれ?もう、時間だ!はやいなあー。来たのは11時だったのに。」

ぼくは、図書館から出ることにした。図書館の扉を開けようとしたが、開けれない。

このとき、ぼくはミスをした。この図書館は午前10時から15時まで開いており、それ以降はお客がいても、自動で扉が閉まってしまうのだ。閉まってしまった場合は、2階にある出口へ向かうしかない。

しかし、向かうにも、図書館の中は暗い。怖いが、恐怖を我慢して進む。

歩いて行くと、後ろから気配がしてくる。

「なんだろう?」

と、後ろを振り向いた。

館長だ。

「館長!どこにいたのですか?」

と聞くと、館長が疲れたよな顔をしていた。そしてこう告げた。

「この先の扉は危険だ。入口に戻り、扉を壊して出るんだ」

と、いわれました。

「なぜ?」

と、聞いたが。館長は何も言わず。

「早く行くんだ!!」

と、怒鳴った。

ぼくは正面玄関へ行き、扉を椅子で割った。その時、割った際に、警報ベルが鳴った。

後ろから館長が。

「早く、出ろ!!もう来るな!!」

と、ぼくはあわてて、家に帰りました。

次の日、図書館は空き地になっていました。

近所の人に聞くと、

「昔、ここに一人の男性が経営していたのだが、借金だらげで、夜逃げしたらしい。しかし、夜逃げだとおもっていたが、図書館には館長の荷物が置いてあった。

そして、中央の机の上には表紙が描かれていない黒い本だけがあったそうだ。」

ぼくは、続きを聞きました。

「館長は姿を消してしまったの。警察も探したんだけど、結局三つからなったらしい。あっ!!そういえば、あなたは、なぜ昨日。空き地の中で騒いでいたの」と、聞かれました。

「え?」

と、思いました。

そうなんです。もともとは図書館は昔あって、その後解体されたそうなんです。ぼくが、いつも言っていたあの図書館は夢なのか幻なのかはわかりません。ただ、わかるのは、雨の日、図書館へ向かって、次の日、風邪。

そして、数年後館長は見つかったそうです。どうやら、外国へ行って金をためていたらしい。そして、館長は今、外国に住んでいるようです。

じゃ、ぼくが見たあの図書館は一体?

怖い話投稿:ホラーテラー H2さん  

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