中編3
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イジメの末路

この話しは中学の時の友達の話し。

その友達はAとする。

Aはイジメられていた。

それもかなり陰湿でキツイ奴。

殴られる、罵倒されまくるは日常茶飯事。

クラスだけじゃなくて学年全体からやられてた。

Aは太ってて髪の毛は天然パーマ、ニキビもあったから外見でイジメのターゲットにされてた。

ちなみに♀。

私は友達だけど庇うような事はなかった。

Aがイジメられてても隣で黙っていた。

それをAがどう思ってたかは解らない。

中学卒業しても私達の友情は続いてて時々遊んだりしたけど。

Aは高校に入ってからもイジメられてたみたいで結局退学したみたい。

それからはAは半分引きこもりみたいになってたまに電話で話したけど話しの内容はいつも恨み言ばかり。真面目な声で『もし私が死んだら絶対イジメた奴らを呪ってやる』と繰り返してた。

私は半分聞き流してた。

それからしばらくしてAの母親から連絡が来た。

Aが自殺未遂したって。

睡眠薬の多量摂取。

朦朧とする意識の中でカッターで体中切りまくって血まみれで発見されたらしい。

幸い命は取り留めたけどAは生ける屍みたいになった。

  ほとんど寝たきりになって誰とも口を聞かない。

食事も出来ないからチューブからして。

オムツもつけたみたい。

精神的なダメージが酷いみたいで精神科に入院になった。

私はAの痛みを今更ながら痛感した。

私だけはずっと友達でいようと決めたんだ。

それからまたしばらくしてハタチになり成人式の後に中学の時の同窓会が開かれる事になり私も参加する事にした。

Aは相変わらず精神科に入院中だから不参加だったけど。

同窓会に行って懐かしい顔を沢山見て楽しんでいた時に友達がふと周りを見渡してる。

『やっぱり来てないね』

『誰が?』

『BとCだよ。』

B.Cはクラスのボス的存在でAをイジメてた中心人物だった。

友達の話しによるとBは一年位前から体調を崩して学校に行けなくなり夜になると大声で悲鳴をあげて騒ぐようになったらしい。

そして『ごめんなさい!俺が悪かったよ!許して』を繰り返して今は病院通いをしてるらしい。

Cは野球の特待生として大学に入ったけど試合中、ピッチャーが投げたボールが頭に当たりヘルメットが壊れて脳内出血を起こして今は半分痴呆状態。

そしてAと同じ様に『ごめんなさい』を繰り返してるらしい。

そんな話しを聞いてるとひとりの男性が私達に近付いて来た。

そいつはD。

BCの仲間というかパシリに使われてた奴である意味こいつが1番Aを殴ったり暴言吐いたりAの弁当に洗剤入れたりしてた。

おどおどしながらDは話しかけてきた。

『お前、Aと仲良かったよな。今日A、来てる?』

私は少し考えて言った。

『来るわけないよ。Aはまだイジメのトラウマで苦しんでるんだから。』

Dはガタガタ震え出した。

『祟りって信じる?』

Dは話し出した。

『BCがああなってからお見舞いに行ったんだ。そしたらふたりとも部屋中締め切って毛布に包まってさ。真っ白い顔して言うんだよ。Aが来るって。体中血まみれで恐ろしい顔して追いかけてくるってさ。俺、かなりノイローゼになってるなーとしか思わなかった。けどちょっと前から俺の所にも来るんだ。Aが。血まみれで『許さない』って呟きながら俺の首をしめるんだよ!俺、怖くて。親に言ったら気のせいだって言われるし。今日も来たくなかったけどもしAがいたら謝ろうかと思って…』

Dはそこまで言って泣き出した。

『昔の事だろ?あんなからかいでAは俺達を祟ってるならおかしいよ。』

怖い話投稿:ホラーテラー 不眠症さん  

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