短編2
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狂った人2

続きを書きます。

そう、それは人間の助かりたいという本能だ。現実から逃避し、目をつむってても頭の中では鮮明に助かった時の妄想が描かれる。

現実は、まだ俺は刺されたままだ…痛みはない。

だが出血は止まってはいない、目をいつのまにかつむっているのは出血が多過ぎて意識が薄らいでいるからだ…このままでは確実に死ぬ。

左手には携帯が握られている、119だ…119。

夢の中で電話を掛けようとしてもボタンを上手く押せない…現実なのに今そんな現象に襲われている。

急がないと、また電話を掛け終わった…という都合の良い妄想意識がやってくる。

うつぶせの状態で、倒れてからまだ5分も経っていない、前には鏡があって倒れている自分が見える。

シャツの背中部分は脇腹あたりから赤くなっている。ナイフが抜けてしまった為の大量出血だ…。

血流が悪くなり、腰から下は無意識に痙攣を起こしている、力はまだ入るが…血が噴き出すだろう。

多分、冷静でいられるのはあと3分くらいだ、すでに冷静では無いのかもしれない、自分の脳が信用できない。

携帯の液晶に目をやると、「119」通話時間1:15

繋がってる!?

「救急ですか!?」

繋がってる、助かるのか?

「○○市、○…○…、刺され…、て血が止まらない、助けを…、意識がもう保てない。」

電話にむかってそう言って、意識が飛んだ。

まだだ、まだ生きてる、意識が戻った時にまだ救急車は来ていない、電話はまだ通話中で、2分しか経過していなかった。

鏡を見た…床は血まみれで暖かい、動く右手で押さえようとして、俺は大変な事に気が付いた…。

傷口が二つある、刺身包丁は俺の脇腹を貫通したらしい、刺さって自重で落ちたんじゃなくて意図的に抜かれた…、殺す気だったのか。

大変な事はそれだけじゃなかった。

文字が限界なので続きます、すいません。

怖い話投稿:ホラーテラー 晟さん  

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