私も兄も小さい頃、前を歩く兄はいつも蛇行しながら歩いていた。
振り返って私の顔を見る時、決まって兄は不思議そうな顔をしていた。
高校生になった頃、ふと思い出し、小さい頃なぜ蛇行しながら歩き私を見る度に不思議そうな顔をしていたのかを聞いてみた。
「小さい頃は自分に霊感があるなんて思わなかった。
ただ前から来た人を避けてただけだったんだけど、お前を見る度に俺が避けた人をお前が通り抜けてたから不思議でしょうがなかったんだよ。
正直、その頃の俺は物を通り抜けられる力がお前には有るって本気で信じてたよ。(笑)
今では俺も避けるの面倒くさいから通り抜けるけどな。(笑)」
兄は笑いながら言ったが私は笑えなかった。
だって小さい頃歩いてた道って高校への通学路だから。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話