中編3
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湖で

『別荘の怪』と『金髪の女』を投稿した者です。

コメントありがとうございました。

丁度ゴールデンウイークなので、数年前体験した話を投稿します。

彼女のE美と湖のある観光地に行った時の話だ。

1時間程で着いたが、案の定混雑していて駐車場すらない状況だった。

E美は弁当を作ってきてくれたが、車で食べるのも味気ないし俺は「少し離れているけど、もう一つの湖に行くか」とE美に聞くと「そうだね」と言った。

俺は裏道を走ろうと思ったが、E美が「えっ?この道通るの?」と聞いてきた。

E美の言いたい事は分かる。この道は地元では有名な心霊スポットの一つで、車に手形が付いたとか、白い女の幽霊が出るとか噂がある道だった。

俺は「昼間っから出ないさ。大丈夫大丈夫♪それにこの道通らないと何時間もかかるしさ」と楽観視していた。

道は湖沿いの一車線に毛が生えた程度の幅員で、対向車が来た場合所々に退避所が設けられている。目的地まで30kmくらいだった。

走り出して10分程経った頃対向車が来た。「面倒くさいなぁ」と思いながらも退避所に車を止めた。

すると対向車が真横に止まって運転手の男が出てきた。30代前半くらいの顔色の悪い男だ。中を見ると奥さんと子供(女の子)が見える。

「すみません、○○はこのまま行けばいいのでしょうか?」○○とは俺達が先程いた湖だ。

ウィンドウを開け「そうですよ。この先10分くらいで着きます」と言うと男はお礼を言い去って行った。

俺は車を発進させて走り出した。5分くらい経った頃また対向車が来た。今度は相手側に退避所があったので向こうが止まっていた。

徐行していると『あれ?さっきのと同じ車種だ』と考えていると、ドアが開き先程の男が車の横に立った。

「E美!あれさっきの男だよな!?なんでまたいるんだよ!!」

助手席のE美は「いやだ!何なの!?」と泣いていた。

『これは人間じゃない』と思った俺は止まらず走り抜けようと思った。

すると男は道の真ん中に立ち睨んでいた。

俺は慌てて止まり、俯きながら「止めてくれ!!」と叫んだ。

俯いているとウィンドウを叩く音がした。男が叩きながら何か言っている。

『開けたらヤバい!』と思った俺はE美を抱きしめ震えていた。

どれくらい経っただろう。突然女の子の声が聞こえてきた。

「お兄ちゃん、うしろを振り向いたらダメだよ。悪い人に連れて行かれちゃう」

俺は「えっ?」と思いながらルームミラーを見てしまった。

!!!

後部座席にずぶ濡れで顔がパンパンに膨れ上がった女?(髪が長かったから)が座っていた。

俺は絶叫した。恥ずかしいなんて言ってらんない。多分泣いていた。

どうしていいか分からず、E美に「車から降りろ!」と言ったが、E美は戸惑っていたようで俺が降りるのを見て慌てて飛び出した。

しばらく二人でうずくまっていた。

クラクションが聞こえた。見ると俺の車のうしろに1台の軽自動車が止まっていた。

ど真ん中に止まっていたので通れなかったのだろう。

なんとか立ち上がると、あの車はいなくなっていた。

「どうしたんだ君たち?」声をかけてきたのは初老の男だった。

夫婦で山菜を採りに来ていたらしく、俺達の様子がただ事ではないと思ったそうだ。

俺は今見た事を話した。おじさんも不思議な体験をした事があるらしく、俺の話を疑わず聞いてくれた。

おじさんは俺の車を覗いて「もう何もいないよ。大丈夫」と言ってくれ、怖がっている俺達の車に乗ってお寺まで一緒に行ってくれた。

俺達はおじさん達に何度もお礼を言ってお寺に入った。

住職さんに話をしたが、「いまは何も見えません。一応お札と清めの塩を差し上げますので、車に置いて下さい」と言っていた。

結局ご飯どころではなく俺達は帰ったのだが、途中E美に聞くと女の子の声なんて聞いてないと言っていた。

怖かったけど『あの家族が助けてくれたのかな?』と感謝しつつ帰路についた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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