中編4
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やっぱり一番は人間

初めての投稿です。

友達のハルから聞いた、

やっぱり一番怖いのは人間だな

と思った話。

その日は、昨日の晴れるという天気予報は外れて、

どんよりとした曇り空だった。

ハルは風邪をひいていて

家にこもっていたらしい

だが、買い溜めしていたカップラーメンが底をつき、

ずっと引きこもるわけにもいかず

コンビニに食料調達に行くことにした。

重い足取りでコンビニに向かう

曇り空から微かに太陽が出ている

蒸し暑い

それに

風邪で咳が止まらない

コンビニまではそう遠くなく

無事にコンビニに辿りついた

コンビニに入ろうとすると

コンビニの前に女が立っていた。

全身は白いレインコートに覆われ、

赤い傘を手に持ち

微動だにせず空を見ている。

フードから出る長い髪から、

女だとわかった。

ハルは

晴れ?てるのに重装備だな。

それよりも咳が酷い

程度に思い、

ラーメンを調達しにコンビニに入った

物凄く健康に悪いが、

飯を作ってくれる彼女もいなく

それで3日程は過ごせると

カップ○ードルシーフードを

六個、その他弁当やおにぎりを

お買い上げ。

カップ○ードルはシーフードが一番だ。

とか

思いながらコンビニを出ると

コンビニの外にはさっきの女がいた。

全身白いレインコートに赤い傘、

微動だにせずに一点を見つめている

ただコンビニに入る前とは違い

その目は空では無く

ハルを見つめていた。

見つめていた、よりも、

睨みつけていた。

の方が適切な表現かもしれない。

うわっ怖ぇ。

早く帰ろう

なるべくその女を見ないように

足早にコンビニを離れた。

家路の途中、

ふとカーブミラー?を見た。

自分が映っている、

その二十メートルほど後ろに

先程の女が立っていた。

やべぇやべぇと

早歩きで家のアパートに向かう。

走る元気はない。

早歩きの荒い呼吸でも

喉にダメージだ。

階段が辛い、

うちのアパートはエレベーターなんか無い

ボロアパートだ。

部屋に入り

すぐさまチェーンをかけ

鍵を閉め・・・

──────ガチャッ

ドアが引っ張られた。

チェーンをかけてたため、

ドアは全開を免れた。

おわぁあぁっ!

思わず叫んでしまった。

まずい、また大家に怒鳴られる

女はドアに足を挟んで

閉まらないようにしている

微かに開いたドアからは、

フードからでる長い髪、

その間から細い目がハルを睨んでいた

なんで俺がこんな目に・・・

軽く涙目になっている

女は何かブツブツ言っていて

気味が悪い

ハルは意を決して女に

「なんでこんなことするんですか?」

と聞いた

声は震えてたらしい

すると女が

「あなた私を見て笑ったでしょう」

「雨も降ってないのにこんな格好だからって笑ったでしょう」

「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」

もう意味がわからない

俺がいつこの女を見て笑ったんだ?

この胸のドキドキは恐怖からか風邪からか

咳が止まらない

────そうか。

この女、

俺の咳を女を笑ったと勘違いしたのか!

たしかに、誰かにチラッと見られて

そのあとその誰かが手を口にあて

ゴホゴホ言ってたら自分の事を笑ったと

思うかフツー?

自意識過剰だバカヤロー!

なんて言えるわけもなく、

ハルは

「すみません!私があなたを笑ったと思っているなら、それは誤解です!」

「私は今風邪をひいてまして!咳は風邪のせいででてしまうんです!」

「だから私があなたのその格好を笑った、というのは誤解です!」

そういって

部屋から薬の処方箋をその女に見せた。

長い沈黙が終わり、女が口を開いた

唇を噛んでいたのか、

口からは血が垂れていた

「なぁんだ。じゃあ私を笑った訳では無かったんですね。」

女が笑う。

できれば笑わないでほしい。

血が垂れている口で笑われても、

怖いだけだ。

でも良かった、

話が通じる人で。

そう思ったのと同時に

「じゃあコレも使わずに済みますね。」

と言って

女は、たたんだ赤い傘の中から

アイスピック

を取り出した。

流石に咳も止まった。

以上が友達のハルから聞いた話。

その後どうなった?

と聞いた私は後悔した

「その後、女はお詫びにってそのアイスピック置いてったから、そのまま使わせてもらってる。お前が飲んでるそれの氷も、そのアイスピックで削ったやつだ」

そんな得体の知れない女からのモノを

堂々と使って堂々と友達に出せる

そんなハルが僕は一番怖かった

やっぱり一番怖いのは人間

僕はそう思った

怖い話投稿:ホラーテラー 沖縄そばさん  

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