「来るって何がだよ!!」
「オレがなんとかするから……巻き込んでごめんな」
プープープープ…
「アイツ何する気だよ…」
嫌な予感がしたどころか、絶対に何かある確信があった。
アイツがゴメンと言った時は何かを覚悟した時だ…
オレは寝巻きの姿のままチャリにまたがりハルの家に全速力で向かった。
ハルはアパートで一人暮らしで親が蒸発してしまったらしい。
「あの古本は何なんだよ…」
そんな事を考えながらチャリを飛ばしてると…
イカセナイ……と、声が聞こえた。
「ん?」
後ろを見ると
皮膚がツギハギだらけで関節の動きがバラバラの化け物が後ろからぴったりくっついてきてる…
四つん這いになり蜘蛛のように手足を動かし、果てには指までおかしな方向に動かしながら
あり得ないスピードで追いついてくる…
負けじとチャリを飛ばし続けると化け物の気配がなくなった。
気づくつとハルの住んでるアパートの前だった。
二階建ての階段をかけあがりドアを思いっきり開けた。
「あれ?鍵がかかってない…」
部屋に入るとすぐに異常に気がついた…
部屋の中にあの化け物がいた。
ハルにまたがりながら何かを呟いていた…
モウスコシダッタノニ…ナンデジャマヲスル
ソレトモオマエヲナカマニシテヤロウカ?
予想外にもハルは涼しい顔で 「お前じゃ役不足だよ…お前はオレの望んでいたものじゃない」
「それにオレだけじゃなくてアイツにも危害を加えた…って事でお前もコレクションになってもらうとするよ」
隠れてやり取りを見てたため良く見えなかったが右手にはあの古本と、左手にはナイフが握られていた。
「この本をこれで刺したらどうなるかなあ?」
ハルは嬉々とした声で喋ってる。
その時…
ヤメロ゙~~~!!
バスッッ…
ナイフは意外にもすんなりと刺さっていた。
化け物はツギハギの皮膚が剥がれその皮膚が本の一部となっていくのが見えた。
そして刺さっていたナイフを抜き次は自分の手のひらに向かった
ナイフを貫通させた…
その手で本に手を置きなにやらぶつぶつ唱えてる…
あの化け物は
イタイーイタイーイタイーと叫びハルは恍惚な顔している。
化け物のが本に完全になったときハルは
「いるんだろ?そんなとこにいないで入ってきなよ」
と言ったがオレは怖くなり急いで逃げた…
翌日 ハルはなんら変わらない様子でオレに近づいてきた。
オレは怖かったが昨日の事を聞いてみた。
「昨日のあれなんだよ!!」
「あ~…やっぱり違ったよ、あれだったらうまくいきそうだと思ったんだけどね」
と、意味の解らないことを喋り結局何も解らないままハルは帰ってしまった…。
しかし今回の事で解ったのかやはりハルは普通ではない事だ。
まだまだハルとの気味が悪い話しはあるが、それはまた次の話だ。
怖い話投稿:ホラーテラー ifさん
作者怖話