中編4
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踏切の怪

カンカンカンカンカン。

ゴーーー。

その日も、私の住んでいる家の真横にある、踏切が、私の眠りを妨げる…。

夜の12時前後、とんでもない音で目が覚めた。

パパーン!

キーーーーーッ!!

ゴーーーン!!

ウトウトしていた私は、あまり気にもならず、そのまま布団の中にいた。

30分程経った頃、パトカーや救急車、消防車までもが、何台もやって来た。

馬鹿ながら、その時に漸く人身事故だと気付いたのだ。

この家には、2年程住んでいたのだが、この様な出来事は初めてだった。

見たがりの私は、慌てて服を来て、足早に現場へ向かった。

現場に着くと、既に人集りが出来ていて、黄色いテープが踏切を囲んでいる。

見た事もない、赤いランプが左右に2つ着いている、セダンのパトカーが2、3台と、救急車1台と、消防車も2台程来ていた。

電車に跳ねられた人は、即死だったらしい。

死体は線路の上に横たわり、ブルーシートを被せてあるのが妙に生々しく思えた。

その瞬間、奇妙な出来事が私を襲った。

今見ている私の景色が、二重に見える?否、三重、四重にも見える。

目眩かな?

こんな体験は初めてだった。

その状態が、5分程続いた頃、さらに変化が起きる。

視界が歪みだしたのだ。

グニャグニャーー

目を擦っても、視界の歪みは、更に増していく。

気が付くと、踏切の周りには、パトカーや救急車消防車、人ですら、全て居なくなっていた。

何が起こっているのか、テンパる私。

と、そこで踏切が鳴りだした。

カンカンカンカンカン。

その場から動く事も出来ずにいると、私の横を1人の女性が通り過ぎていく。

すると女性は遮断機が降りているのにも関わらず、踏切に入っていく。

その時の様子は今でも忘れられない。

遮断機をくぐる直前、に女が凄い形相で笑いだした。

「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ」

笑いが止んだと思ったら、こちらをじーっと見つめて、私に向かって何かを言っているようだった。

ただ、その時は何も聞こえなかった。

女が遮断機の中に入っていく。

止めようとする私、叫ぼうとする私…。

しかし、体が全く動かない。

その内に電車が来る。

パパーン!!

クラクションが鳴り響く。

キーーーーーッ!!

【逃げろ逃げろ逃げろ!!ひかれるぞ!ヤバイ助けにいかな!】

しかし体が全く動かないので、どうする事も出来ない。

ゴーン!!

絶望に浸っている私の思った通り、女は惹かれてしまった。

無惨にも、空中で体は九の字に折れ曲がり、近くにある電柱に物凄いスピードで激突した。

グシャッと嫌な音が鳴り響く。

アスファルトに叩きつけられる体。

ピクリとも動かなかった。

1分程その状態が続いた時だった。

女の顔が…顔だけがこちらを見た。

その瞬間、私を気を失った。

気が付くと、さっきの人だかりの中に立っている私、何が起きたのかまるで分からずにテンパっていた。

少し落ち着いて考えてみた。

電柱の凹み具合や、電車の位置1つを残して全て、さっき見た、風景と同じだった。

【まさか…】

そう…。

自殺現場を何故か私が見てしまったのだ。

しかし、死体の位置が、明らかに違っていた。

たしか電柱にぶつかって、即死のはずじゃ…。

おかしい。

!!!

ブルーシートが置いてある位置…。

まさにそこは、幻覚を見ていた私が立っていた位置だった。

【あそこまで移動したのかよ…勘弁してくれよ…。俺、何かされたのかな? 気を失ったから、わかんねぇよ】

体の芯から悪寒が走った。

その場に怖くて居られなくなり、足早に家に帰った。

家に着くなり、直ぐ布団に入り、いつの間にか眠っていた。

夢を見ていた。

私は踏切の前にいた。

カンカンカンカンカン。

踏切が鳴りだす。

私の後ろから女が歩いてくる。

!!

あの幻覚と全く同じだ。

怖くなり、目を閉じようとするが、体が言うことを聞かない。

………。

また一部始終見せられた私。

しかし最後だけは違っていた。

ひかれる前に女が私に呟いた言葉が、はっきりと頭の中で響いた。

【見ててね】だった…。

目が覚めると泣いていた。

それからは何もないが、今は近くに踏切が無い所に引っ越しをして、幸せなに暮らしている。

長文駄文すいません。

怖い話投稿:ホラーテラー 夢さん  

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