「見られちゃった」
Aはそう言うと照れたように顔を赤らめ下を向いた。
俺は胸がドキドキした。
それからAと少しずつ話すようになった。
「お前すげえじゃん!Aになんて言ったんだよ。つ〜かあんな奴に深入りしてヤバクネ?」
Bは俺を心配しているみたいだが俺はどんどんAに惹かれていった。
下校時間いつものようにAが鳥と話していた場所に行く。
そこは神社という名ばかりのもので寂れて誰も通らない。
俺は近道になるから通ってるだけ。
あれから毎日ここを通るのが楽しみになっていた。
今日もAは居た。
クスクスと笑っている。
「よぉ!何笑ってんの?」
俺も自然と笑顔が出る。
「鳥さんがね、面白い話を聞かせてくれたの」
「…なんて言ってた?」
クスクス笑いながらAは俺の手を握った。
え!?何だ?何だ?
何だ、この展開!!!
小さな手で俺の手を握ったままAは
「家においでよ」
と言い俺を引っ張って行った。
30分ぐらい歩いただろうか。。
目の前にはばかでかい門。
その奥にはばかでかい家。
こいつとんでもないお嬢だ。
俺は緊張する間もなく手を握られたまま家の中に入って行った。
シーンと静まり独特な香り。
「家の人は?」
「ママは私を産んですぐに死んだ。パパは仕事で毎日遅いの。」
余計なこと言ってしまった…。
Aは気にする様子もなく
「散らかってるけど私の部屋」
と言いながらドアを開けた。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話