中編3
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赤黒い手首 3

読みたいという方ありがとうございます。

次の日、朝から怖くて、その事ばかり考えていました。

もし手の指が全て揃っていたら…

肘より上があったら…

怖くて怖くてたまりませんでした。

今まではいきなり来て怖かった事を思い出し、身構えて待っていました。

しばらく待っていたのですが、来ません。

少し安心しました。

人間とは馬鹿な物で来ないと解ると急に強気になりました。

なんだよ、来ないのかよと昨日の勝利の満足感を思い出しクスクス笑ってました。

その時です、ずるんずるんと引きずるような音が聞こえ金縛りになりました。

まるで狙っていたかのようなタイミング。

完全に安心していたので心臓が止まるかと思うほどの恐怖に包まれました。

勝利の気分など、吹っ飛んでただただ怖かったです。

まず感じたのは重々しい引きずるような音。

吐きそうなほど匂ってくる生臭さ。

本当に吐きそうでした。

またあのゆっくり近付いてくる恐怖を味わうのかと思っていたら、今回は速かったです。

びちゃずるんずるん、と足まで来ました。

目にした物は肩あたりまである手でした。

ひっと声にはならない声を出し涙と涎がでました。

ただ、指が変でした。

五本揃っているのですが、人差し指と中指は手の甲の方向に薬指は千切れかかっていて小指は骨が指を突き破って白い物が見えてました。

マジでグロくて吐く寸前でした。

ボロボロなのに動きは速かったです。

あっという間に首までたどり着き締められました。

ヌルヌルする感触と死の恐怖。

涙が止まりません。

締められるたびにゴキャボキャと骨が折れるようなリアルな音がします。

でも死ぬまでの力は感じません。

速くしてくれと願っても無駄でした。

たぶん、指がボロボロで力が入らなかったんですね。あちらも焦ったんでしょうか、ぐいぐい押してきました。

その時、手の甲を向いていた人差し指と中指がスポッと口の中に入りました。

先ほどの吐き気と生臭さと異物感に凄まじい勢いで吐きました。

そこで金縛りが解け手を振り払いもう一度吐きました。

はぁはぁ言いながら涎を垂らしながら手を蹴飛ばしました。

毛虫のような動きで部屋の隅まで這って行く手を、なに逃げてんだよと言い捕まえてテーブルの角に何度何度も叩き付け床に叩き付けました。

そして、次に来たら燃やしてやると怒鳴り散らして窓から投げ捨てました。

勝ったという充実感に酔っていると、母が入って来てうわっと言いました。

それはそうですよね、部屋はゲロだらけで俺は涎と涙を垂らしながら恍惚の表情で突っ立ってるんですから。

母が何か言っていたのですがよく聞き取れなかったです。

俺の第一声は母さん俺、完全に勝ったよとまだ勝利に酔っていました。

そして、母からのグーパンチで目が覚めました。

もう酔ってはいないですが、勝利の満足感にニヤニヤしながらゲロを掃除しました。

ただ、掃除が終わり母が部屋から出て行く時に薬は良くないよと言われました。

え?マジでやってないから!完全に勘違いされました。

誤解を解くのに30分かかり勝利の余韻は消え去り虚しくなりました。

他の方の話しでは、捕まれた所に痣が残ったりとかありますが、まったく何もありませんでした。

それより、母から頂いたグーパンチで口の中と唇がえらい切れています。

ある意味、母の方がダメージ大きかったです。

まぁやっぱり生きてる人間の方が怖いって事ですかね。

まだ、いくつか話しがありますが読みたいと思ってくれた方が居ましたら書きたいと思います。

怖い話投稿:ホラーテラー 鍵仁さん  

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