短編2
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携帯電話続き2

そして昨日預けた携帯を不注意により壊してしまったので修理から携帯が戻ってくるまで我慢して下さいと頭を下げてきた。

私は×美さんがいないことに気づき、あれからどうなったかを尋ねた。

しかし店長は答えにくそうにしている。私は本当のことを話していただければ修理から戻るまで携帯を我慢すると伝えた。

店長は重い口を開ける。早朝に店長の携帯へ、スタッフから電話がかかってきた。×美さんは私の件を意味不明なクレーマーだと思っていたらしく、昨夜仕事帰りに同僚の家に愚痴をこぼしに泊まった。

深夜になると私の預けた携帯が鳴ったので電話に応対した。

同僚が傍で聞き耳を立てている。

最初は勢いよくまくしたてるような口調で話していたが途中から『なんでそんな事知ってるの?あなた本当に△△子なの?』と怯えた様子になると携帯から黒い煙がどんどん立ち込めて×美さんの体を真っ黒に覆い尽くすと

『お願いだからやめてぇえ~!!許してぇえっ!!!』と×美さんは叫んだ。

すると体を覆っていた黒い煙の塊が×美さんの耳・鼻・口の中に吸い込まれるように入って消えた。

携帯が床に落ちる。俯く姿で座っている×美さんの目から墨のような真っ黒の涙が頬を伝い、床を黒く染めた。

突然の出来事に呆然と眺めていた同僚は我に返って×美さんを呼びかけて驚いた。

色白だった肌が嘘のようにどす黒く変色し、老婆のように老け、苦悶したように眉を顰めている。

まるで般若か鬼のような表情で。

何かを言いたいようだが話すことができない。

同僚は深夜にもかかわらず藁をも掴む思いで近くの神社・教会・寺院に連絡し×美さんを力いっぱい引きずり、車に乗せて連れて行ったが助けることは出来なかった。

×美さんは病院に連れて行かれた。

話しによると恐らく殺された△△子さんは(誰に殺されたかは言わなかった)死ぬ瞬間の強い無念が携帯の中に入った。そして×美さんの体内に入り込み、体の自由を奪った。

×美さんの過去に犯した罪が一番重いと言われる深い罪であるがために助けようがなかったのだという。

使えないようにして店に隠してあったのだが店長が偶然に見つけてしまい修理時の代用として使えるようにしたところに修理を頼みに来た私の手に渡ってしまった。

次で終わります

怖い話投稿:ホラーテラー Jannuleさん  

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