中編4
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上の住人

おかしな人間って怖いなぁと思った話です。

28才の時以前住んでいたアパートで、上の階の住人A(推定40代中)と何度となくトラブルになった。

Aはタクシー運転手で、白髪のパンチで陰険そうな感じのオヤジだった。

原因は夜勤で夜中2時3時に帰って来るのだが、飛び起きてしまうほど大きな物音を立てるのだ。(黙っていたら延々と)

最初は揉めるのも馬鹿らしいのでやんわりと言っていたが、その度Aは「分かった、気をつける」と反省してんだかしてないんだかパッとしない返事。

さすがに3度目となると堪忍袋の緒と共に俺の中の何かも一緒に切れた。夜中という事も気にせず思いっきり怒鳴りつけてやった。

最初は驚いたAも応戦してきて、結果大口論となり警察沙汰になってしまった。

こうなる前に大家さんにも何度となく相談はしていた。

その日の夜大家さん含め3人で話し合いの席を設けたが、屁理屈をこねマトモな話にはならなかった。

大家さん「お互い歩み寄りは無理そうですね…分かりました。他の住人の手前、今度こういった騒動があったら2人共出て行って下さい」と言った。

正直、安眠妨害され注意したら逆ギレされた俺がなんで?と思った。

まぁ、入居の契約書に『他の住人の迷惑にな行為を見つけた場合〜』という項目はあったが…

Aも事件の後半月くらい夜中は静かだったが、わだかまりは消えた訳ではない。

そんなある朝出勤しようと車をバックすると、助手席側の後輪に違和感がある。車から降りてタイヤを確認するとパンクしていた。

「マジか!?まいったな〜朝からついてないなぁ…」車に乗り込み元の位置に入れようとした時だ。

運転席に座り2階に目をやると、窓からAがニヤつきながら覗き込んでいた。

もしかして俺はAの仕業じゃないか?と俺は疑った。

そうでなければ、ただ出勤するのにニヤついて覗いている意味が分からない。

ただ証拠がないので確認する術がないのだが…

そう思い込んでしまうと、タイヤ交換している最中にも頭に血が登っている。

作業中も覗いているのが分かったが、なんとか交換し終え会社に向かった。

その日は早く仕事が終わったので、俺はGSに寄り修理を頼んでいたタイヤを交換してもらい帰宅した。

『クソっ!余計な出費だ!』

こんな日は早く寝よう、と酒を煽り結構早い時間に布団に入った。

3時頃酒の飲み過ぎで腹が痛くなり、トイレに入ろうとしたらイライラしていたので切れた電球を買い忘れてしまった。

暗闇の中、おっきい方するのは気がひけたが仕方がない。

スッキリして水を流そうとしたら、上の階から誰か出て来たようだ。

まさかAじゃないだろうなぁ、とトイレの小窓を開け覗いてみた。

駐車場には薄暗いが一応外灯がある。よく見ると、やっぱりAだった。手にはアルミ缶みたいのを持っている。

『あの野郎〜俺の車に近づいて何する気だ?』

俺は急いで玄関に駆け寄り、ドアを開け隙間から覗いていた。

するとAはアルミ缶を開け、中身を俺の車に振りかけた。

『何かけたんだ?』と思っていると、カラーボールをご存知だろうか?

以前コンビニなどに置いてあった、強盗の車に投げつけるとボールが割れ、中から蛍光オレンジの液体が飛び散るヤツだ。

それと同じようなオレンジの液体を振りかけてやがる。

頭の中でロッキーのテーマ曲が流れた。もう誰も俺を止められない(そんな事はないが…)と思った。

「ゴラアァァァ!!!」

Aは缶を持ったまま驚いたので、隣の関係ない車にも塗料がかかってしまった。

俺はAに近寄り「お前何やってんだコラ!こんな事してただで済むと思ってんのか!?」と怒鳴りつけた。

アパートや近所のドアがあちこち開き、他の住人も起きてきた。

とばっちりを喰った形の塗料をかけられたお姉ちゃんも血相を変え駆け寄り、状況を把握すると泣き出してしまった。

俺とお姉ちゃんは器物破損で警察に突き出したのだが、犯行理由はやっぱり俺への嫌がらせと言う事だった。

取り調べで分かったのだが、俺のアパートは外にそれぞれの物置があり、俺の物置の中に黒猫の死体、Aのウ〇コとゴミを放り込んだと言う供述。

警察に聞く前、たまたま物置を見た俺はあまりの光景と異臭で吐いてしまった。

こんなおかしな人間が蔓延るイヤな時代になったな、と二度と関わらないよう俺は引っ越す決意をした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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